「中学生のための中学生による、中学生の番組」がコンセプトであり出演する生徒は主にロケ地である名古屋の中学生が中心。出演者はオーディションで決められており演技経験が乏しいものも多くいたが、逆にそれが中学生独特の垢ぬけない印象を強め、番組ならではの「味」として認知されてきた。
中学生日記からは後に俳優になった中学生も多く、小西博之や川島なお美、竹下景子などを輩出してきたが、その中で一番驚きなのが伊武雅刀の存在だろう。
伊武雅刀といえば男らしいルックスに 、ドスの利いた声が特徴的な俳優であるため、学生服のイメージが全く結びつかない。そのため、ファンの中には伊武雅刀の『中学生日記』(正確には『高校生時代』)を見てみたい! という声も数多い。
残念ながら、伊武雅刀の出演したシリーズはNHKにフィルムが残っておらず、現在観ることはできない。
これは当時、NHKにはフィルムを残すという習慣がほとんど無く、テープ本体も高価だったためテープが常に上書きされていたという背景がある。
そのため、70年代の以前のNHKの人気番組はテープがない、もしくは行方不明などが多く、あの『ひょっこりひょうたん島』も当時の作品で残っているのはたった8本のみという状況である。
『ひょっこりひょうたん島』は放送当時、熱心にメモに書き留めた視聴者がおり、それを元手にしてリメイク版が製作され、不定期ながらもシリーズは続けられている。
もっとも奇跡的なのは1972年に放送された『タイムトラベラー』でこの作品はテープが全て紛失、絶対に見る事の叶わない番組だったが、90年代になって当時の視聴者が最終回を録画していたビデオを発掘し、再放送されたという例もある。
とはいえこのケースはかなりレアで、家庭用ビデオの普及していない伊武雅刀出演の『中学生日記』の発見はかなり厳しいといえる。
しかし今回の最終回により、当時見ていた世代に懐かしさが込みあがり押入れからビデオや写真を発掘…ということもあり得なくはない。
デビュー直後の初々しい伊武雅刀を見られる日は来るのか!?