今年で6年連続の始球式の大役を務める石原さとみ。過去5年とも趣向を凝らした始球式で観客を沸かせている。初登場となった2014年は、右手負傷による影響でサウスポー投球となったが、翌年からは、レジェンドピッチャーのコピーを披露している。2015年は元ロッテオリオンズの村田兆治さんの「マサカリ投法」、2016年はメジャーリーグで旋風を起こした野茂英雄氏の「トルネード投法」、昨年は元阪急の山田久志氏や元ロッテマリーンズの渡辺俊介氏の「サブマリン投法」、昨年は現横浜DeNAベイスターズの投手コーチ“ハマの番長”三浦大輔直伝の「二段モーション」と、往年の名プレーヤー達のユニークな投球フォームを模す一風変わった始球式は、もはやドリームマッチのひとつの名物として、年々注目度が高まっている。
爽やかなブルーの衣装に見を包んで登場した石原さとみは丹念にマウンドを馴らし、三塁側に視線を移してセットポジションに入ると、キャッチャーを見ないで投げる「ノールック投法」を披露。右バッターボックス上部に逸れたものの、スピードあるストレートでバッター高橋由伸から空振りを奪った。すると三塁コーチャーズボックスの岡島秀樹に駆け寄り熱い抱擁を交わし、満面の笑みで喜びを表現した。
今回の投法はドリームマッチ初出場の、岡島秀樹の独特なフォームを真似たもの。「ノールック投法」は、投げる瞬間に視線を下に外す難しいフォームだが「筋肉痛になるほどたくさん練習した」成果が出たことに喜び、岡島には「手取り足取り凄く丁寧に的確に」指導されたことを明かした。更に本番で登坂した岡島に対して熱視線を送りながら「師匠」と呼び応援していた。
先日発表された「ロマンチックな夏旅を一緒に楽しみたい芸能人」で3位にランキングされるなどの人気を誇り、まさしく“高嶺の花”の石原さとみだが、毎年この始球式では違った魅力を見せてくれる。石原も「傾斜のついたところで練習したい」と、早くも来年に向けてやる気満々。今から来年のピッチングが楽しみだ。
取材・文・写真 萩原孝弘