夫がいる身ながら美容室の客と不倫関係にあった文子だったが、94年に入って相手から別れ話を切り出された。その原因が同僚美容師であると思い込んだ文子は、彼女の身辺を調べたが、不倫相手との接点は何ひとつなかった。それでも妄想にとりつかれた文子は、彼女を美容院の事務所に呼び出し、用意した包丁でメッタ刺しにして殺害。遺体をバラバラに切断し、異常者の犯行に見せかけるために性器などをえぐり取ってからPAなどに捨てた。脅迫状などは、捜査をかく乱するための自作自演だった。
1995年8月、福岡地裁は「残忍極まる手口」「虚偽の供述を繰り返すなど反省も見られない」として、懲役16年を言い渡し、99年に刑が確定した。