お笑いコンビ・FUJIWARAの藤本敏史は、コウメ太夫の「チクショー」やゴー☆ジャスの「レボリューション」、お笑いコンビ・アンタッチャブルの山崎弘也はクールポコの「やっちまったなー」やレギュラー・西川晃啓の気絶ネタなど、他の芸人のギャグを連発し、笑いをとっている。
また、とんねるずの石橋貴明も、大ブレイク中のコンビ・日本エレキテル連合の「ダメよ〜、ダメダメ」のフレーズを番組で使用、ナインティナインの岡村隆史は、以前から後輩だけでなく大先輩・志村けんの「変なおじさん」「アイーン」などの芸を拝借している。
パクリ芸に対して藤本はで「オマージュ」と弁解し、テレビで他人の芸を披露することで、ワイプに本人の顔画像が映されるため、売れていない芸人にとっては、“おいしい”という旨を主張している。
7月に開催された「K-PROネタカーニバル!〜本ネタ・営業ネタ・カバーネタ祭り!〜」では、お笑い芸人が他人のコントをカバーするという企画が行われた。ザゼンジはうしろシティ、磁石はオジンオズボーン、トップリードはマシンガンズ、三四郎は日本エレキテル連合の「未亡人朱美ちゃん3号」のネタを披露し、観客を爆笑させた。
「もはや、他人のネタをパクることは“悪”ではないという風潮が生まれ、“カバー”という感覚に変化している。売れていない芸人にとっては、先輩芸人が芸を披露することで、テレビにお呼びがかかる可能性もありますから…、いわばプロモーションの一貫ですね。同等のレベルの芸人だと、相乗効果が生まれて大きな笑いに変化する可能性が高いです。『K-PRO』のライブがいい例ですね。ただ、カバーされる相手によっては、まだ怒る芸人もいますよ」(お笑いライター)
数年前から音楽業界ではカバー曲がヒットしている傾向にあり、最近でも歌手のMay.Jが、映画「アナと雪の女王」の主題歌「Let It Go〜ありのままで〜」のカバーで大ブレイク、E-girlsもB.B.クイーンズの名曲「おどるポンポコリン」をカバーし、話題となっている。
ようやく訪れたお笑い業界のカバー時代。今後どのように進化していくのだろうか。