『こち亀』のアニメ版は、1996年から2004年までの間、フジテレビで毎週放送され、終了後も不定期で新作が制作されてきた。しかし、フジテレビでの新作放映は2016年9月以降、行われておらず、今回の『アニ×パラ』での新作放送は、フジテレビからNHKへ『こち亀』の放送権が移動したことを意味する。
また、今回のニュースと同時にネットでは「編成センスのないフジテレビ」が改めて注目を集めている状況だという。
「実はここ数年、フジテレビの編成部は他社から持ち込まれたヒット企画をみすみす逃している傾向にあります。最近ではNHK総合の『チコちゃんに叱られる!』が代表例でしょう。『チコちゃん』はフジテレビの子会社である共同テレビのプロデューサーが、最初はフジテレビへ企画持ち込んだのですが断られてしまい、NHKに持ち込まれた番組です。ご存知の通り、いまや『チコちゃん』は常時10%を超えるヒット番組になっており、フジテレビが逃した魚は非常に大きかったとされています」(放送作家)
また、フジテレビは数年前も『チコちゃん』と同じような「チョンボ」を起こしている。松重豊主演で深夜ドラマながら驚異的な人気と視聴率を稼いでいる『孤独のグルメ』は当初、フジテレビへ放送が持ち込まれた企画だった。しかし、こちらもフジテレビが断ったことにより、テレビ東京へ持ち込まれ、結果大ヒットドラマへとなった過去があるのだ。
今回の『こち亀』も放送権がNHKへと移動してきた背景は不明だが、アニメの制作会社がフジテレビと仲違い、もしくはフジテレビが『こち亀』の新作放送を断りNHKへ企画が持ち込まれた可能性は高いだろう。
国民的アニメ『こち亀』すらも失ってしまったフジテレビ。まだまだ「迷走」は続きそうだ……