現在、世界ジュニアヘビー級以外のベルトをGURENTAIに独占されている全日プロ。5日の金沢大会で王者のカズ・ハヤシがMAZADA相手に防衛に失敗すれば、すべてのベルトが流出するまさに崖っぷちの状態だ。
そこで武藤は海外修行を終えた河野をパートナーに、世界タッグ挑戦を決意。「度胸もあるし、体も大きい。総合のキャリアもある」と太鼓判を押す。
前哨戦となったシリーズ開幕戦6・21後楽園ホール大会では、腕ひしぎ逆十字で太陽ケアの左腕を破壊することに成功。期待以上の働きに武藤も「偶然なのか、必然なのか河野の(総合の)器用さが功を奏している」と満足している。
もちろん、武藤は攻めることを止めるつもりはない。
「河野をこういう人間に育てたっていうのを見せてやりたい。そういう意味でも、河野が勝ってベルトを巻くのが一番」と河野をタイトル奪還のキーマンに指名。その上で「ヒザ、足首、首って一個ずつ破壊するやり方もあれば、ヒザだけを破壊するやりかたもある。パターンはいろいろ考えているよ。鈴木の足なりケアの首なり…」と不敵な笑みを浮かべた。
すべてはもう一度本隊に政権を取り戻すため。自身はコーナーから“参謀”として指示を送り、総合の技術に長ける河野にケアとみのるの体を破壊させるという。
「順調にプランは進んでる。逆に(左腕を)やりすぎてケアの体が心配だよ」と相手を気遣う余裕さえみせた。もう天才・武藤の頭の中にはGURENTAIがマットに沈んでいる姿しか見えていない。