芸歴は16年。芸人としての最高月収は、4万円。スキンヘッドの小峠英二は害虫駆除、ガッチリ体型の西村瑞樹は深夜のコールセンターのクレーム処理が、主な収入源になっていた。そんなふたりが、コントを8分披露して、1,000万円という優勝賞金をゲット。ここに注目したのは、笑福亭鶴瓶だ。
11日に放映されたテレビ東京系列の『きらきらアフロTM』のコーナー「アフロタクシー」で、タクシー運転手にふんした鶴瓶が、乗車してきたゲストのバイきんぐと本音トーク。賞金の使途について、「700万ぐらい事務所に取られんのやろ?」と剛速球な質問を投げると、小峠は、「ガチで200万、持っていかれる」と答えた。
テレビ出演がほとんどなかった、芸人人生。身につけた金銭感覚といえば、お笑いライブの1ステージのギャラと、都内のアルバイトの時給の相場、地方営業の単価ぐらい。テレビの相場、事務所の取り分といった基礎的知識がまったくないため、「これ、騙されてないですよね?」と小峠は、鶴瓶に真剣に相談した。
それにたいして、「まあまあエエ線ちゃう? 規定として、そんなもんちゃうかな」と的確なジャッジをくだした鶴瓶。まさに“鶴のひと声”に安堵したふたりだが、今後どんどん仕事は未知なる領域に入っていき、共演者は激変していくだろう。現時点では、スケジュールが真っ黒。アルバイトができなくなってしまった実情が、うれしくも寂しくもある。(伊藤由華)