“オフラインチェック”とは、ディレクターが自分の作ったVTRを放送前に会議で見せ、プロデューサーから好き放題に言われること。そのディレクターに、千原ジュニア、バカリズム、劇団ひとり、インパルス・板倉俊之というひとクセある芸人がふんして、与えられたお題に対する表現をVTRに収めようというのが、この番組の主旨だ。
1本目のテーマは、「草刈正雄をニヤッとさせるVTR」。トップを飾ったのは、出演者のなかで役者経験がもっとも豊富な劇団ひとり。「ウィキペディアで調べると、草刈さんはテニスが好き」であることを調べたひとりは、元プロテニスプレイヤーのマイケル・チャンにふんし、ラケット片手に「テニスあるある」をあげていった。
そのオチにしたのが、「テニスが強い人は、セックスも強そうね」。そして、「草刈さんも、強そうね〜」でVTRを締めくくった。
結局、多数決によって選ばれたのは、板倉の作品。日本人プロボクサー初の飛び級2階級制覇を達成した長谷川穂積を登場させて、美人が目の前を通ったときだけ、シャドーボクシングのスピードが上がるという内容だった。セリフなし。無声映画さながらの完成度だった。
これを見た草刈はたしかに、「ニヤッ」とした。100点満点中「25点」と、ジャッジこそ厳しかったが、ひとりがイヤホンモニターで送った質問「セックスは強いですか?」には、「普通じゃない?」と答えてくれた。草刈のノリのよさがしっかり伝わった、1時間特番だった。(伊藤由華)