江口は、『東京ラブストーリー』『101回目のプロポーズ』『ひとつ屋根の下』(いずれも同)など「月9」作品に多く出演してきた。今回の出演は2003年放送の『東京ラブ・シネマ』(同)以来、15年ぶりとなる。
このところ、ドラマでは懐かしの共演が相次いでいる。『ロングバケーション』(同)に出演した元SMAP木村拓哉と山口智子が『BG〜身辺警護人〜』(テレビ朝日系)で22年ぶりに共演したほか、『家なき子』(日本テレビ系)で親子を演じた内藤剛志と安達祐実が『警視庁・捜査一課長season3』(テレビ朝日系)で23年ぶりに共演を果たす。この背景には何があるだろうか。
「現在、若者のテレビ離れは深刻です。視聴者のメインターゲットは少なくともアラサー以上に設定されているのは確かでしょう。ドラマばかりではなくバラエティ番組も、あの事件の真相といった過去を振り返る企画で埋められているのはそのためなのです。そこで、懐かしの共演を設定し、話題作りをしたいのはあるでしょう」(放送作家)
だが、共演のニュース性ばかりが話題になり、肝心のドラマの内容が頭に入ってこないのも確かだろう。
「ドラマは出演者ばかりではなく、たっぷりと予算をかけ、脚本家、演出家、美術担当などのスタッフを育てながら成長していくコンテンツです。予算の少ない現状にあっては、そうしたかつてのようなドラマ作りはできません。そこで、話題先行型になっているのかもしれません」(前出・同)
テレビが生き残る道は「懐かしネタ」を前面に押し出した、過去の黄金期の遺産の食いつぶししかないのかもしれない。