レギュラーは、12本。今年上半期では、11本の有吉弘行を上回り、堂々トップだ。同じく、上半期出演本数ランキングでは、TBSの朝の顔であるTOKIO・国分太一に続いて、第2位(ニホンモニター調べ)。司会もできれば、ひな壇にも座る。売れた今でもネット番組、深夜ラジオ、単独ライブを続行していることが、業界関係者や後輩、大御所から絶大な支持を得ている理由だ。
こうなると、相方・日村勇紀とのあいだで生じるコンビ格差が懸念されるが、バナナマンにかんしてはそんな心配無用。交際相手のフリーアナウンサー・神田愛花とのロマンスばかりが報じられがちだが、日村の芸は劣化するどころか、ますます加速している。
芸人の仕事の原点といえる地方ロケ、食レポを今でもこなし、ベテランの業を誇示。体当たりチャレンジ企画や、リアクション芸、女装、半裸を、売れた今でも辞めない。舞台で育ったルーツがあるため、主演ドラマ『イロドリヒムラ』(TBS系/12年)、主演映画『新選組オブ・ザ・デッド』(15年)で見せた演技力も、超一流だ。
絶妙なバランス感覚を保っている設楽と日村。ダウンタウン・松本人志は、先月おこなわれたバナナマンの年1恒例の単独ライブを鑑賞して、みずからもライブをやろうかと奮い立たされたツイッターをあげている。
かつては影響を受けた偉人に、今では影響を与える存在になったバナナマン。「国民的アイドル」ならぬ、「国民的お笑い芸人」なる新語が生まれるなら、彼らがいの一番で該当者となるだろう。(伊藤由華)