新時代の到来を告げるべく丸藤が三沢に引導を渡すことを宣言した。
森嶋猛を破って優勝戦を制した丸藤は「三沢さんには悪いけど、余裕でしょう。誰も文句が言えないくらいに叩きのめす」と自信満々に言い放ち、9・29大阪大会での三沢超えを宣言してみせた。
昨年GHCヘビー級王者として三沢を迎え打った丸藤だったが、結果は三沢の底力の前に敗北しベルトを奪われた。秋山準を破って新王者となり新時代の到来を告げたはずだったが、結局は三沢の牙城を崩せず時計の針を戻された丸藤だが、過酷なリーグ戦を制して今回は三沢超えへの揺るぎない自信をのぞかせる。
丸藤が大きな自信を得たリーグ戦。それほど過酷な戦いだった。最後の舞台、Aブロックの優勝決定戦進出戦で齊藤彰俊を破った丸藤の前に立ったのは「秋山準を倒して勝ち上がってきたヤツとやりたい」と戦前から対戦を熱望した相手だった。
1試合のインターバルを挟んだ丸藤に対し森嶋は秋山との戦いから休む間もなく優勝決定戦に挑んだ。ゴング前から疲労困ぱいでコーナーにうなだれる森嶋の姿を見た丸藤はいきなりの不知火をお見舞い。一気に試合を決めにかかった。
しかし、ROH世界王者としての意地もある森嶋は底力を発揮。丸藤は逆に体が一回転するほどの破壊力を誇る森嶋のラリアートの前に何度も追い込まれてしまう。それでも「(森嶋に)連戦の疲れがあったから、ラリアートの威力も多少の割引があった」と連打で浴びた豪腕を耐えしのいだ。
森嶋の猛攻をしのぎ切ると最後は50kg以上もある体重差をものともせず、森嶋の巨体を高々と持ち上げてのポールシフト3カウントを奪取。丸藤が約一カ月の長きに渡ったリーグ戦の頂点に立った。
過酷なリーグ戦を勝ち上がり、最後に自らが望んだ最大の難敵を破って挑戦権を得ただけに、丸藤は三沢超えの手応えを得た。「お客さんもそろそろ分かってくれたでしょう。もう温かい目で三沢さんを見守る必要はない」と早くも厳しい言葉で三沢を挑発。王座奪取に誓いを立てた。
1年前のこの日に秋山から奪取し、わずか防衛2回で奪われたGHCヘビー級王座。早すぎた王座陥落から9カ月間、丸藤は新たな自信を胸に、三沢に預けていたベルトを大阪で取り返してノアの時代を変える。