競馬発祥の地・英国では“一国の宰相になるより難しい”とされるダービーの頂。実際、「あのすごみある脚を見せられれば、一目置かざるを得ないよ」と、この夏、メキメキと頭角を現してきたオウケンブルースリ、ナムラクレセントの両陣営もキングカメハメハ以来、史上2頭目の変則2冠馬には敬意を表している。
「春も使って良くなっていった馬だし、体にも余裕がある。まだまだダービーのころに比べることはできないですね」と包み隠すことなく話すのはディープを担当する堂本助手。とはいえ、「夏を予定通りに無事越えられたし、四位さんが追い切りに乗るたびに元気になるんです。環境が変わると、しばらくはダクでもうるさい馬なんですが、今はすっかり落ち着きも取り戻していますからね。阪神も毎日杯を好時計で勝っているし、もちろん、距離も大丈夫。これくらいの状態でどれだけの競馬ができるか、僕自身も本当にワクワクしてるんです」と自信の表情を見せた。
この神戸新聞杯でのVパフォーマンスで菊花賞を目指すのか、天皇賞・秋に進むのかは昆師が決断することだが、来年は海外をも視野に入れる日本のエース。いずれの道を歩もうとも、眼前には青々と澄み切った秋晴れが無限に広がっているに違いない。