同ドラマは主人公の元人気ミュージシャンの早川正義(オダギリ)が、家族のかかわりを通して成長していくサクセスストーリーを描いている。しかし、撮影前に「パパはニュースキャスター」(87年=TBS)の脚本家から類似点を指摘され、フジが盗作を否定しながら、一部内容を変更するトラブルがあったいわくつきの作品。
ドラマが始まってみれば、初回(4月15日)=6.1%、第2回(22日)=3.6%、第3回(29日)=3.4%という記録的な低視聴率をマーク、3回の平均視聴率は4.4%となった。
00年以降のプライム帯(午後7〜11時)の連続ドラマで、全回の最低平均視聴率は03年1月期の日本テレビ「メッセージ」(真中瞳主演)の4.4%。「家族のうた」は3回目ですでにその数字に並び、全回の最低記録を更新する可能性が出てきた。
同ドラマは第5回まで撮影済みで、全11回の予定。フジではテコ入れを示唆しているが、挽回できなかった場合は、打ち切られる可能性も出てきた。
ところで、この低視聴率をフジ側は想定できなかったのだろうか。オダギリが前回、連続ドラマの主演を務めたのはテレビ朝日系列「熱海の捜査官」(10年7〜9月/金曜日午後11時15分〜)で、全8回の平均視聴率は7.9%と1ケタ台。ただ、深夜帯とあって、プライム帯と同レベルで比較することはできないが、それでも低い数字。
その前は、TBS日曜劇場「ぼくの妹」(09年4月〜6月/日曜日午後9時〜)で、長澤まさみとの共演だったにもかかわらず、全11回平均で視聴率は7.9%しか取れず、日曜劇場のワースト平均視聴率を記録している。
つまり、ここ最近のデータを見れば明らかなように、オダギリでは数字が取れないのは明白。それを承知でキャスティングしたフジ側にも、視聴率低迷の要因がありそうだ。(坂本太郎)