「Bクラスなら真弓監督解任」をすでに決めていた阪神は、その後任候補として、外部からなら現日本ハム監督の梨田昌孝氏(58)、現中日監督の落合博満氏(57)、内部昇格なら生え抜きの和田豊打撃コーチ(49)、OBで元2軍監督の平田勝男氏(52)らをリストアップしていた。
そこに、巨人のナベツネこと渡辺恒雄球団会長(85)が余計なコメントを発したため、阪神・坂井オーナーが困惑してしまったのだ。14日、ナベツネ会長は阪神の監督人事にふれ、「落合クンなら、阪神を強くできる。アレは名監督だから。坂井さんともこの話をしたんだけど、やっぱり巨人と阪神でがんばろうと。そうじゃなかったら、プロ野球がね、ドンドン、人気が落ちる一方だよ。やっぱり巨人、阪神ががんばってどっちかがいつも優勝に絡む、という状況じゃなかったらダメだよ」と熱弁を奮ったのだ。
これに過敏に反応したのが、坂井オーナーだ。ヨソの球団幹部に、次期監督候補の名を挙げられ、「ナベツネさんは、ひどい。失礼だ。腹立たしい」と不快感をあらわにした。そりゃ、ごもっともな話だ。坂井オーナーとしては、「ヨソの球団の人事に口を出さないで」と言いたいところで、阪神としてははなはだ余計な話だ。
ところで、その阪神の後任監督人事は16日時点で、梨田氏が有力になったといわれている。阪神と同じ、関西を本拠とした近鉄育ちで、近鉄、日本ハムの2球団でパ・リーグを制覇した指導力が評価されているという。ただ、梨田氏が監督を務める日本ハムはCS(クライマックスシリーズ)進出が決まっており、勝ち抜けば日本シリーズに出場することになる。梨田氏が指揮を執っている間は、安易には動けない。
(落合一郎)