カープ戦勝ち越しをかけた試合の先発は、西武からFA移籍した野上。一方、カープは大瀬良が先発し、初回に1点ずつを取り合う。その後は両投手が好投し、6回まで2対2。
7回表、巨人高橋由伸監督はマウンドにメジャー帰りの上原浩治を送る。先日のDeNA戦で敗戦投手になったものの、それ以外の試合は抑えており、絶大な信頼をもって送り出したものと思われる。
ところが、上原は菊池涼介に2アウトから2打席連続となる勝ち越しホームランを許すと、丸にフォアボールを与え、続く松山とエルドレッドに連続勝ち越しツーベースを浴び、あっという間に2対5に。
最終回、広島抑えの中崎に対し、巨人は坂本の2点タイムリーで1点差に迫る。なお1アウト満塁のチャンスを迎え、打席には中日から移籍した昨年のホームラン王・ゲレーロ。最低でも犠牲フライで同点が期待されたが、インコースの速球にバットをへし折られ、ピッチャーゴロ。
続くマギーはファーストライナーに倒れ、ゲームセット。上原が2敗目を喫し、巨人は71年ぶりとなるリーグ最速の10敗目。
チャンスが何度もありながら、一本が出ず敗戦した事実に、巨人ファンは激怒。ネット上では高橋監督への不満や解任論、そしてコーチ批判が噴出し、大荒れとなった。
オープン戦首位となり、上原の加入によって澤村・マシソン・上原・カミネロの強力リリーフ陣が完成し、優勝争いに絡むと思われた巨人。阪神、中日には2カード連続で勝ち越したものの、4月6日のヤクルト戦から12日のDeNA戦まで6連敗を喫する。
13日の広島戦は大勝したものの、再び連敗。いずれの試合も大量失点が目立ち、投手陣が崩壊しており、14日時点で防御率はリーグ最下位と、苦しい状況が続く。
また、昨年オープン戦首位・千葉ロッテマリーンズがシーズンでダントツの最下位に沈んだこともあり、「このままずっと最下位なのではないか」という不安の声もあがっている。
「高橋監督は感情を表に出すタイプではないので、負けが込むとやる気がないように見えてしまう。そこが、ファンの怒りに繋がってしまっているのではないかと思います。
しかし、負けている試合を見ると、監督の采配ミスというよりは、出した選手が期待したパフォーマンスを出せていないことが原因。15日の試合も、上原がきっちり抑え、チャンスで一本出ていれば勝てたはずです。
高橋監督は元々現役続行を希望していたところを、読売球団が無理矢理監督にした経緯があることは、皆さんご存知の通り。監督としては『素人』であることを承知の上で抜擢したのですから、我慢するべきですし、球団も守るべきでしょう。
そうはいっても、巨人ファンはチームに『強さ』を求める。批判が強まれば、高橋監督自身が責任をとって休養ということも考えられます。そうなると困るのは、読売球団自身だと思いますが…。
いずれにしてもまだ序盤ですので、どうにかしてチームを立て直してほしいものです」(野球ライター)
最下位に沈んだ巨人だが、原監督時代にも序盤の下位低迷から巻き返し、優勝を勝ち取ったことはある。ここからの巻き返しに期待したい。