同センターによると、全国の消費生活センターなどに、今年5月以降、約20件の相談が寄せられている。被害相談は主に30代から60代までの男性。
消費者宅には突然ラベルや表示のないDVDが数枚送られ、モザイク処理などを施していない無修正のアダルト映像が収録されており、数日後に高額の請求書が届く手口だ。
請求書には、「キャンセル、クーリングオフは固くお断りします」などと記され、「VIP会員36カ月コース(毎月1回定期発送)」「サポートサービス料、運搬送料」と称して、約60万円を請求している。なかには、「代金を払え」と執ように電話が掛かってきたケースもあった。
特定商取引法では、送り付けられた商品を受け取っただけでは売買契約は成立せず、14日間保管すれば、送り主の返還請求権はなくなり、処分していい。契約が成立していないため、代金を支払う必要はない。請求書には業者の連絡先が書いてあるが、同センターでは「個人情報を知られる恐れがあるので連絡を取らないこと」と警告している。
このような無修正アダルトDVDの販売は、刑法のわいせつ物頒布等の罪(同法175条)に抵触する可能性があるが、こうした事情で違法DVDを所持しても罪に問われることはない。
同センターによると、以前は高齢者に健康食品を送りつける手法が多かったが、最近はアダルトDVDの送りつけが増えているという。
(蔵元英二)