油なんて口に入れたら身体に悪いと思うかもしれませんが、飲むわけではないので問題ありません。しかも、美容だけでなく、かなり身体にも良い効果があるとされています。
今回は、看護師の大木アンヌさんに、「オイルプリングの健康効果と正しい方法」についてお聞きしました。
■オイルプリングは伝統医学に基づいたもの
「オイルプリングは、古代インドの伝統医学であるアーユルヴェーダに由来するもので、食用油で口の中をゆすぎ、美容や健康効果を得るという方法です。油でうがいするなんて、口がベタベタになりそうですが、そんなことはありません。終わったあとは意外と爽快です。口臭や歯周病などを予防するだけでなく、身体に害を及ぼす可能性のある菌たちを排出することができます」
■使用する油の種類
「オイルプリングに使う油は、植物性の油であれば問題はありません。なかでも、用いられることが多いのがココナッツオイルです。ココナッツオイルには、中鎖脂肪酸やケトン体といった身体に良い物質が多く含まれていて、より高い効果が見込めます。オリーブオイルもフレッシュさがあり健康的です。また、白ごま油もサラッとして口に含みやすいです。白ごま油を使用する際は、キュアリングという加熱処理をすることで抗酸化作用が高まるとされています。鍋で熱して冷ましてから別容器に移して使いましょう。キュアリングすることで、長期の保存も可能になります」
■短時間でも効果あり
「オイルを口に含み、くちゅくちゅと中をゆすぎます。15分ほどおこなうと表情筋のトレーニングにもなり、ほうれい線などの予防にもなると言われますが、短時間でも十分に健康効果は得られます。終わったら吐き出して、水でゆすいで終了です。さっぱりとした爽快感が得られます。間違ってもここで飲み込まないでください。歯のホワイトニング効果もあるので、歯磨きをして効果を高めてもいいですね」
口は体内への入口ですから、常に清潔に保っておきたいところ。うがいであれば、なにか作業をしているときでも、くつろいでいるときでも、簡単におこなえます。意外と癖になる爽快感を、是非味わってみてください。
【取材協力】大木アンヌ
ルーマニア人ハーフの看護師。家庭や恋人同士で使える簡単な医療の知識を少しでも伝えていくため、ライターとしても活動中。