直線に入っても抜群の手応え。2着フラッグラッシュが迫ってくると、さすがに鞍上の手が動いたが、それでも余裕残しの勝ちっぷりだった。後藤騎手は「ここ何日かで状態がアップしていた。馬なりで勝てると思ったんだけど、相手が最後にビュッときたからね。ただ、まだ余裕があったね」と笑顔。血統的に今後もダート路線での活躍が期待される。
同日の芝1800m戦はアイティトップ(牡、父マヤノトップガン、母トウキュウアビー=美浦・矢野照厩舎)がきっちり人気に応えた。勝ち時計は1分37秒7(良)。
道中は好位を追走。4角で早めにスパートすると、そのまま押し切る横綱相撲。着差(クビ)以上に強い内容だった。「仕掛けが早いかなと思ったが、期待通り走ってくれた。道中はまだ遊んでいるし、成長すればもっと良くなる。ここは通過点」と丹内騎手は頼もしいコメント。切れる脚こそないが、追って味があるタイプ。距離が延びても対応できそうだ。
15日(土)の芝1200m戦(牝馬限定)は、単勝3番人気のリバティープリント(父スウェプトオーヴァーボード、母エアリバティー=美浦・伊藤正厩舎)が、絶妙なペースに持ち込み逃げ切り勝ちを飾った。勝ちタイムは1分10秒4(良)。
騎乗した蛯名騎手は「返し馬を終えた時点でやれる」と勝利を確信したという。「道中も力まず上手に走っていた。直線に向いた時はまだ余力があった」そして、この貯金が新馬らしからぬガッツをお披露目することになる。「2着の馬にいったん交わされたけど、また差し返した。勝負根性は大したもの」と目を丸くした。一方、距離については、「気持ちが前向きで性格がいいから融通性はある」と話していた。
同日のダ1200m戦は、ラスト1Fで先頭に立ったデヴェロッペ(牝、父ボストンハーバー、母ショウエイミズキ=美浦・加賀きゅう舎)が2馬身半差をつけて圧勝した。勝ちタイムは1分13秒4(良)。
松岡騎手は会心のレースを次のように振り返った。「口向きの悪いところがあるので、もまれないように心がけた。競馬センスのいい馬ですね」と満面笑み。また、距離については、「マイルぐらいまでは大丈夫」と話した。
一方、来年2月いっぱいで定年を迎える加賀師は「芝、ダートは問わない。気性が素直だし、まだまだ良くなる」と感無量の面持ちだった。