2005年からアジアナンバーワン・マイラーを決めるアジアマイルチャレンジに組み込まれ、「日本VS香港」の図式がより明確になった安田記念。今年も目の前にニンジン(ボーナス)がぶらさがるグッドババ(すでにシリーズ1勝)を筆頭に強力3騎が参戦。「日本馬危うし」のムードが充満している。
そんななか、外敵撃破に闘志をメラメラ燃やしているのがスーパーホーネットだ。
「日本代表として香港馬を負かしたい」GI未勝利の身ながらも、矢作師は“代表”という言葉を口にした。実績はあくまで実績。現時点での“強さ”は日本馬で一番という自負が師にはある。
実際に、前走・京王杯SCでは難敵スズカフェニックスを撃破。中山記念、マイラーズCを連勝中の別路線組カンパニーにしても、昨年のマイルCSで先着(自身は2着でカンパニーは5着)している。唯一、勝負付けが済んでいないウオッカは、この3カ月でGI(海外を含む)を3戦する超のつくハードスケジュールで、完調とはいいがたい。これなら陣営が堂々と「日本代表」と名乗っても、外野からブーイングは出てこないだろう。
「体質が弱かったのに無理して使った3歳時は私のミスというしかないが、昨年から徐々に力をつけ、“強さ”が出てきた。今は昔と比較にならないほど充実している」
昨春のこのレースでは勝ち馬ダイワメジャーから0秒8あった差が、秋のマイルCSではわずかクビ差。これまで苦しめられてきた輸送減りにしても今年2戦は468→462kgと安定。師が言う“強さ”が、結果とともに目に見える形で現れてきたのだ。
17日に早々と美浦に入厩したことも、このレースにかける本気度の高さがうかがえる。
「前日輸送だと戦闘モードに入ってしまって、体がガクンと減ってしまう。その点、移動距離が少ない当日輸送ならいい状態をキープできる。理想をいえばもっと体重があってもいいが、こっちにきてからもカイ食いがいいから大丈夫だろう」
馬名の由来はアメリカ海軍の戦闘攻撃機から。国こそ違えど、外敵(香港馬)を迎え撃つことにかわりはなしだ。