今週もキーワードは“親子丼”。ネヴァブションとエアシェイディの組み合わせで決したAJCCの再現を狙い、西の名門・森厩舎が攻勢をかける。
まずはビクトリーテツニーだ。1600万を勝ち上がるのにいくらか足踏みしたが、前走のカペラSで見事に重賞制覇を達成した。しかも、ダ1200メートル1分8秒7という芝並みの驚異的なレコードのオマケ付き。上がり3Fも34秒8と強烈な切れ味を発揮した。
「もともと期待の大きかった馬だけど、ここにきて骨格がしっかりしてきたのが大きい。完成の域に近づいてきた」と日高助手は本格化著しい愛馬を頼もしそうに語った。
この中間は森厩舎のパターンとなっている短期放牧を挟まず、栗東で調整を続けてきた。その臨戦過程からも、ここへの勝負気配が感じられる。「引き続き具合はいい。前走の勝ちっぷりからここでも期待できそう」と笑みを浮かべていた。
鞍上はAJCCでネヴァブションを復活Vに導き、伊藤正厩舎のワンツーフィニッシュをおぜん立てした横山典騎手。重賞V2へ向け、役者はそろった。
一方のオフィサーも侮れない存在だ。
「現状はビクトリーの方が上」というジャッジだが、前走のギャラクシーSは10番手から豪快な差し脚を発揮、2着以下を2馬身1/2突き放す圧勝だった。しかも、「この前は軽めのケイコしかできなくて状態はあまり良くなかった」というのだから恐れ入る。
「2頭とも末脚が良くて東京の千四はピッタリ」と力強く総括した日高助手。ひとたび前がやり合う展開になれば、2頭そろって直線ズドン! のシーンがありそうだ。
【最終追いVTR】ビクトリーテツニーは坂路で単走。前半から積極的に飛び出していき、中間地点を過ぎるまでは軽快だったが、残り200メートルで手応えが悪くなった。最後は鞍上が追うのをやめたほど。決してほめられるケイコではなかった。
一方、オフィサーは単走で追われ、しっかりした脚取りでゴールまで駆け上がった。体の硬さも見られず、好調をキープしている。
(写真左=ビクトリーテツニー、右=オフィサー)