オリックス 6×-5 中日(3回戦)
※オリックスの1勝2敗
▽13日 京セラドーム大阪 観衆 18,736人
「9回、自分は“7番目”のバッターだった。相手のピッチャーは連投で疲れてると思っていたので、そこまでの打者が繋いでくれるという思いで待っていて、最後のヒットを打つことができた」
ドラマは9回に起こった。同点で迎えた9回、オリックスは守護神の増井浩俊を投入したが、先頭を四球で歩かせると、本人も最近の課題として挙げているクイック(モーション)になってからのコントロールがこの日も改善されず、中日の福田永将に勝ち越しのタイムリーツーベースを打たれ、2点を奪われてしまう。その裏、中日の守護神マルティネスがこの3連戦、3連投。しかし、先頭の大城滉二がセンター前に運ぶと、続く代打の後藤駿太は空振り三振に討ち取られたが、伏見寅威が内野安打、福田周平が粘って四球を選ぶと、1死満塁に。ここで西野真弘が連続で四球を選び押し出しで1点差に。3番の吉田正尚が内野ゴロの間にさらに1点を追加し、同点に追いつく。2死2、3塁の場面で、7番目のバッターである4番のロメロに回ってきた。1塁が空いていたため、申告敬遠も考えられたが、中日バッテリーはロメロと勝負。これが裏目に出て、5球目の変化球をロメロがレフト前へ運び、オリックスがサヨナラ勝ち。連敗を3で止めるとともに、同一カード3連敗も免れた。
「負けが続くのはシンドイことだけど、試合が終われば明日に向けて気持ちを切り替えてきた。今日勝ったことで、明日いい闘いが出来ればいい」
試合後、ロメロは自身のバットで連敗を止められたことについて、このように話し前を向いた。先発のルーキー荒西祐大が、6回・8安打を打たれながら無失点に抑える好投を見せており、荒西は「初先発で多少の緊張はありましたが、初回から全力で腕を振っていこうと思っていました。先頭打者を意識しすぎて、コントロールが甘く入ってしまう事が多く、そこは反省しなければいけませんが、ストレートの調子自体は良かったですし、ランナーを出してからもなんとか粘って0で抑えることが出来て良かったです」とプロ初先発のマウンドを振り返っている。荒西の好投もチームにいい流れを導いたと言ってもいいだろう。鬼門の8回はディクソンが3人で抑えている。
「みんなが最後まで諦めない気持ちでやってくれた。ロメロは敬遠されたら…とも考えましたけど、勝負してくれて、よく決めてくれた。荒西はヒットを8本打たれましたけど、0で抑えてくれたのは自信になるんじゃないですか。昨日の竹安(大知)にしても若い力を感じる。ピッチャー陣は楽しみ。これに乗っていかなきゃいけないですね」
西村徳文監督は久々に笑顔を見せながら、ロメロと荒西、そして最後まで諦めなかった選手たちを高く評価した上で、14日から行われる阪神との“関西ダービー”に向けて、「しっかりやっていかないと」とこの日も出たエラーや、四球からの失点について苦言を呈し、そこを改善しながら阪神3連戦を闘っていく姿勢を示した。14日の阪神戦は、昨年までオリックスに在籍しFA移籍をした西勇輝が予告先発。オリックスは成瀬善久がカード頭に登場する。絶対に負けられない阪神戦で連勝が出来れば、西村監督の願い通り、交流戦の後半も乗っていけるはずだ。
取材・文・写真 / どら増田