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前田健太を巡る米球界の投手補強事情(前編)

 鳴尾浜での自主トレを終えた藤川球児投手(35=阪神)が言った。
 「グリンキーを獲ったので、マエケンは獲らないでしょうね」(12月5日)
 トラ番記者たちが話題を振ったからだが、この日の阪神選手は広島・前田健太(27)が「どこのメジャー球団と契約するか」を予想していた。そうなれば、メジャーリーグを経験した藤川は強い。日本に配信されてきた米球界報道によれば、ダイヤモンドバックスは前田のポスティングに参加することを公言している。だが、藤川は今オフの米FA市場の目玉がドジャースからFAになった右腕、ザック・グリンキー(32)であることを説明し、彼の獲得に成功したDバックスが前田獲得から撤退すると予想していた。

 米国人ライターが『6年2億650万ドル』(約254億円)でDバックスと契約したグリンキーについて、こう説明してくれた。
 「彼の評価が上がったのは、14年の地区シリーズですよ。ドジャースのエース、カーショウが不振で初戦を落としても、第2戦でグリンキーが好投し、『ド軍には2人のエースがいる』と言われたほど。球威、制球力ともにバツグンで、守備力は内野手が勤まるほど高く、バッティングも良い。投手なのにシーズントータルで3割以上の打率を残した年もある」
 そして、藤川の予見は的中した。グリンキー獲得以降、米球界報道は「大型契約をまとめた後なので、補強費が制限される」と、Dバックスの前田争奪戦からの撤退を匂わす内容に変わってきた。
 また、前田に興味を示していたカブスもカージナルスのジョン・ラッキーとの契約をまとめた。これで、カブスも前田とは交渉しないだろう。だが、前田の商品価値は下がらない。グリンキーを失ったドジャース、Dバックスとのグリンキー争奪戦に敗れたジャイアンツ、投手陣の再建を迫られているレッドソックス、ヤンキース、そして、岩隈久志との残留交渉をまとめられなかったマリナーズが本腰を入れてくると思われる。

 米球界の前田に対する評価だが、「エースを張れる投手」とは見ていないものの、「先発ローテーションの3番手以降だが、2ケタ勝利が期待できる」というもの。ダルビッシュ有、田中将大が「エース」として大型契約をまとめただけに、この評価は前田にとっては納得できないものだろう。

 前出の米国人ライターが前田に提示される契約内容をこう予想する。
 「100万ドルクラス(約1億2300万円)の年俸は提示されないかも。100万ドルクラスだとしたら、3年以上の複数年はないと思います。メジャー球団は広島球団に支払う落札金の2000万ドルを含めて『前田獲得資金』と見ていますから。ダルビッシュや田中のときはチームのエースを獲得するという勢いがあったので…」
 悲観的な声も聞こえるが、前田はダルビッシュ、田中に近い大型契約を勝ち取るとの見方もされている。その理由は−−。(スポーツライター・飯山満)

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