23日の「RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2018 SOUND JUNCTION」は、ステージが4方向に設置され、順番にライブを繰り広げていくという、画期的なスタイルの音楽フェスティバル。フェスではおなじみの、サウンドチェック待ちやステージ転換の時間が全くなく、アーティストからアーティストにすぐにバトンタッチできる、というのが魅力の一つである。
もちろん、今回の魅力はそれだけではない。この4ステージのアーティストが、個性的な音楽性で支持を得ている、ジャンルにとらわれない4組だったことも、このフェスが最高にカッコイイと言われる要因だ。観客は、きゃりーぱみゅぱみゅ、向井太一、RHYMESTER、Survive Said The Prophetの最高のステージに囲まれながら、極上の音に酔いしれた。
この日のMCは、あっこゴリラ。あっこの「スッゲーバイブス!渋谷を最高に盛り上げましょう!」という、元気なシャウトでSOUND JUNCTIONが開演した。その対角線上のステージ、RHYMESTERからライブがスタート。1曲目「The R→B-BOYイムズ」から、会場全体をRHYMESTER色に染め上げた。宇多丸は、「イベントにかける意気込みは半端じゃない」と語り、Mummy-Dからは、自身が出演するレッドブルのテレビCMのセリフ「音楽はマーティングから生まれない」も飛び出すなど、“king of stage”の3人は、音楽以外でも楽しませてくれた。
RHYMESTERのステージの後は、ノンストップで対角線上のステージにいる向井太一にバトンタッチ。新世代のシンガーソングライターのハイトーンな歌声に合わせ、観客は手を大きく振り、テンションはどんどん高まっていく。全7曲を披露した後は、向かって右手のステージにきゃりーぱみゅぱみゅが登場。人気曲の「にんじゃりばんばん」から、「インベーダーインベーダー」まで、きゃりーワールド全開で歌い上げ、会場の空気が最高潮に。
そして次は、第一部のトリを飾るSurvive Said The Prophetが対角線上にあるステージから観客を煽る。今度は打って変わって会場がロックの空気へと変貌を遂げ、観客たちはこぶしを突き上げてYosh(Vo.)のコールに応えた。
約30分ずつの第一部ステージが終わると、今度は1曲ずつ順番にステージが変わる第二部へ。ここで、サプライズゲストの中田ヤスタカが登場! きゃりーぱみゅぱみゅと共に新曲の「音ノ国」を披露した。興奮冷めやらぬ中、間髪入れずに向井太一のステージへ。ここではスペシャルゲストでMCのあっこゴリラが登場。CMソングにもなっている「ゲリラ×向井太一」で、客席は一つになる。続いてRHYMESTERが「人間交差点」のAcoustic ver.、Survive Said The Prophetは予想外の楽曲をロック調アレンジで披露し、熱気も冷めぬ中ライブが終了した。
これまでになかった、観客をステージで囲む、というスタイルのイベント。お目当てのアーティスト前で、ライブによって方向を変えて楽しむもよし、ライブごとにステージを移動するもよし。観客は、思い思いのスタイルでこの斬新な音楽空間を楽しんだ。