3年契約の2年目で来季まで契約があるのが、首位で前半戦を終えた巨人・原辰徳監督、3位だが、その差3ゲームで完全に射程距離圏内の中日・落合博満監督。後半戦スタートの27日からいきなり直接対決3連戦だ。もっかのところ、2人とも来季続投に関しては間違いだろうが、決して安閑としてはいられない。最終的にV逸すれば、来季が待ったなしの正念場になってくる。
V9超え指令を出している巨人・渡辺恒雄球団会長が、前半戦の報告会で「大監督になってきている」と原監督を絶賛したというが、2位・阪神に0.5差とはいえ、首位なのだから当たり前。逆転優勝を許せば、手のひら返しは容易に想像がつく。この時期の言葉は当てにならない。「4年ぶりのリーグ優勝、巨人戦16勝8敗」のノルマを、白井文吾オーナーから課されている中日・落合監督もこれからが勝負の時だ。
今季で2年契約が切れる阪神・真弓明信監督は、坂井信也オーナーから「よくやっている」とお褒めの言葉をもらっており、続投ムードだが、油断は禁物だ。このまま最後まで優勝争いをすれば、2位でも来季続投となるだろうが、急降下して3位以下に転落すれば、再契約は微妙になってくる。泥沼の最下位の責任を取り、辞任した高田繁監督の後を受け、チームを4位に急浮上させたヤクルト・小川淳司監督代行だが、来季は荒木大輔投手コーチの監督昇格が既定路線視されている。代役だけで終わり、補佐役のヘッドコーチに戻ることになりそうだ。
最下位争いをしている就任1年目の広島・野村謙二郎監督、横浜・尾花高夫監督は、今季限りでいきなり解任はなくても、短期政権になるか、ある程度の期間監督をやれるか、後半戦の戦いぶりにかかってくる。パ・リーグで同じく1年目同士で最下位争いの楽天・ブラウン、オリックス・岡田彰布監督も同様だろう。もう一人の就任1年目監督のロッテ・西村徳文監督は開幕から快進撃を続け、故障者続出にもかかわらず、球宴前まで5年ぶりの優勝を狙える3位に好位置をキープしており、評価は高い。胸を張って来季続投となるのは間違いない。
一時期の低迷からチームを急浮上させ、首位・西武に0.5差と肉薄しているソフトバンク・秋山幸二監督。リーグ連覇の可能性が出てきた日本ハム・梨田昌孝監督ともに、来季まで契約があり、優勝できなくても今季限りの解任はないだろう。
就任1年目の一昨年、いきなり日本一になり、失敗を怒らない新人類世代の新監督像としてもてはやされたが、一転して昨年は4位に沈んだ西武・渡辺久信監督。雪辱の年だった今季、0.5差ながら首位で折り返した。最大の不安点だった抑え不在を大胆策で解消。なんと中継ぎで獲得したシコースキーに任せる度胸の良さが吉と出ている。主砲・中村が故障リタイアしても動揺することなく、栗山を4番に抜てきする奇策と、中島を代役にするオーソドックスな策を自由自在に使い分け、窮地をしのいでいる。新たな2年契約の1年目の今季、V奪回すれば、長期政権が視野に入ってくるだろう。逆に2年連続のV逸になったら、契約切れの来季が勝負の年になる。