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三谷啓子の「マイクと声と私」第9回 〜立川文学賞編〜

 今回は3月24日、東京・立川の立川市役所(立川市庁舎)で行われた『立川文学賞』について書こうと思います。

 皆さんご存じの直木賞や芥川賞は毎年注目を集め、受賞者は作家先生としてその後、羽ばたいていきます。が、日本には「文学賞」と名のつくものが実はたくさんあるのです。
 その中の一つが『立川文学賞』。同賞は2011年に『東京立川こぶしロータリークラブ創立二十五周年』の記念事業としてスタートしました。
 そして過日、『第2回立川文学賞の授賞式』が開催。私はそのイベントで司会を担当したのです。今回の応募総数は213作品。応募者は37都道府県プラス海外3カ国(アメリカ、ドイツ、マカオ)。最高齢86歳、最年少13歳と多岐に及んでおりました。
 今回から『立川市長特別賞』が創設。私はこの文学賞が立川に根付きつつあることを実感しました。立川市の全面協力が際立ったのは、市庁舎一階のロビーが式典の会場だったことです。
 立川市庁舎は2年前に建ったばかりの新築。3階まで吹き抜けのフロアで、中央はさながら「タカラヅカ風階段」。本当に絵になる階段が延びています。文学賞は1階の階段前方にステージを設け、そこから2階まで赤い絨毯を敷いたという会場。否が応にも盛り上がりますよね。
審査委員長は志茂田景樹さん。レッドカーペットに負けずカラフルな衣装で登場しました。
 大賞には来月出産を控えている、滋賀県栗東市の小出まゆみさんの『鋏とロザリオ』が選ばれました。
 あらすじは、《中世の欧州、ソプラノの音域を男性が出してオペラを歌うカストラートとして生きていくために、子供の時に教会の合唱音楽隊に親から入れさせられた少年リリュケの物語。彼は成長してもその高音を維持するために去勢させられるのです。少年リリュケがカストラートとして成功していくまでの苦悩と喜び》です。大変、素晴らしく表現された作品だと感じました。

 第1回に続いて佳作となった間零さんの『スクラムガール』は、「立川市長特別賞」も併せての受賞となりました。《主人公で語り手の浜辺和歌子は、都立三多摩高校ラグビー部のマネージャーで、自身が太っていることを笑い飛ばすような明るい性格の持ち主。メンバーが少ない三多摩ラグビー部は、スクラム練習で柔道部員に協力してもらっていた。夏休みのある日、そのうちの一人が練習を休み、その代わりとして和歌子がスクラムに入ることになり…》
 いや〜、どの作品もあらすじを聞くだけでワクワクしますね。

 その他、佳作は3作品が入賞。志茂田さんは「前回に劣らぬ盛り上がりで作品のレベルも上がったので、来年以降にも期待したい」と話されました。大賞と佳作4作品はまとめられて今年6月に『立川文学賞』(けやき出版)で書籍化。早く手に取って読んでみたいですね。
 活字離れ、読書離れといわれる昨今ですが、本を通じて色々な人物の考え方や生き方と出会えます。読書で受けた感動や想像力からの経験が、人生に奥行きと深みを与えてくれるのではないかと思います。

 最後に、「なぜ市庁舎で授賞式を!?」−−。
 それは『ノーベル賞・授賞式』を思い描いているからなのです。
 立川市庁舎を使った授賞式−−『立川文学賞』の今後に乞うご期待!!

(エフエムたちかわアナウンサー・エフエムたちかわアナウンススクール校長)

【三谷啓子(みたにけいこ)プロフィール】
特技・広島風お好み焼き作り(腕は抜群! と自画自賛)
趣味・国際交流ボランティア活動
(ホームステイの受け入れや留学生交流、やっぱり“人”が好き)
褒賞・2007年3月「防災・防犯無線」アナウンスの永年協力に対し、立川市長より感謝状を授与される
〜2010年から立川拘置所で全国初の所内放送をボランティアで始め、新聞各紙、TV、ラジオ、海外メディアにも大きく取り上げられ、注目を集めている〜

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