日テレといえば、昨年4月期の連ドラ「花咲舞が黙ってない」(平均視聴率16.0%)をヒットに導いた杏を、「24時間テレビ」のチャリティーパソナリティーに起用するなど、“お抱え”する算段だったが、フジテレビにさらわれてしまった。杏は現在フジで放送中の「デート〜恋とはどんなものかしら〜」に出演中だ。
杏にフラれてしまった日テレが白羽の矢を立てたのが、超大物となった堺だった。もともと、演技派として高い評価を得ていた堺は、13年7月期に放送されたTBS「半沢直樹」(平均視聴率28.7%)で、42.2%(最終回)の高視聴率を弾き出して大ブレイク。
その直後の同年10月期「リーガルハイ」第2シリーズ(フジ)でも、平均視聴率18.4%をマークして、“新・視聴率男”の称号を得た。
TBSはその後、大幅なギャラアップで、「半沢直樹」続編のオファーをしたが、堺は受け入れなかった。「リーガルハイ」以降、堺は映画、連ドラへの出演を封印。同年4月27日放送の「パンドラ〜永遠の命〜」(WOWOW)、同年11月22日放送の「リーガルハイ・スペシャル」と、2本のスペシャルドラマに出演したのみ。
さらには、16年のNHK大河ドラマ「真田丸」で、主人公の真田信繁(幸村)役を演じることが決まっている、そのため、「連ドラ出演の可能性は低いのでは?」とみられていたが、一発逆転、日テレが口説き落とした。
「Dr.倫太郎」で、堺が演じるのは大学病院に勤務するスーパー精神科医の日野倫太郎役。倫太郎は天才的な治療法と回復術を駆使し、多くの著書を出版し、コメンテーターとしてテレビ出演をこなすなど、超人気の精神科医。そんな何不自由ない倫太郎の前に1人の女性が現れる。その女性の心は、倫太郎にはコントロールできず、その出会いが倫太郎の人生を狂わせていく…というストーリー。
脚本を担当するのは、ヒット作「ドクターX〜外科医・大門美知子〜」シリーズ(テレ朝/米倉涼子主演)、NHK連続テレビ小説「花子とアン」(吉高由里子主演)を手掛けた中園ミホ氏。堺と人気脚本家・中園氏とのタッグが、どういう化学反応を示すか大いに気になるところ。共演者は現段階で発表されていない。
近年の堺はフジ、TBSのドラマへの出演が多く、日テレとは疎遠だった。最後に日テレのドラマに出たのは02年4月期の「ゴールデンボウル」(金城武主演)で、1話のみの出演。レギュラー出演となると、99年7月期の「女医 NOTHING LASTS FOREVER」(中谷美紀主演/読売テレビ制作)以来、実に16年ぶり。主役となると初めてのこと。
来年の大河ドラマまで、堺の連ドラ出演はないと思っていたファンにとってはうれしいニュース。難攻不落だった堺の獲得に成功した日テレとしては、してやったりといったところだろう。
(坂本太郎)