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学研HDが電子書籍出版社設立 『高齢者事業』もある一大グループへ

 学研ホールディングス(HD)が電子書籍事業を手がける新会社を設立。成否を握るモデルケースとして、各出版社は固唾を飲んでその成り行きを見守っている。

 社内に電子書籍等を扱う部門が存在する出版社は多いが、法人に切り替えるケースは珍しい。利益率の低さや作家との印税比率等が練られていないため、二の足を踏む社がほとんどだ。
 学研HDが10月1日に設立したのは(株)ブックビヨンド。資本金1億円で全額を学研HDが出資した。代表取締役は織田信雄氏で社員数12名と電子書籍の会社としては多い。

 事業内容は『電子書籍配信事業』『電子ストア運営事業』『オリジナルコンテンツ制作事業』『イベントプロデュース事業』と幅広い。
 グループ内の新刊を電子化する業務を新会社で一括し、他社からも請け負う。また、新刊だけではなく過去の名作や広報誌、学習塾で配布してきた問題集などあらゆるコンテンツの電子化に取り組む。早期に流通点数をいまの4倍である1万点以上にする計画だ。
 織田社長は「『本』というコンテンツの価値を最大化させることをミッションとして、デジタル領域において有益なシステムやツールを構築する」と語る。

 学研HDの目玉はこれまで通り『教室・塾事業』だが、最近は『高齢者向け住宅事業』が伸びてきた。いつの間にか『高齢者事業』から『電子書籍事業』まで取り組む一大グループに成長していたのだ。
 '13年9月期決算では売上げ865億円、経常利益が24億円、最終損益が16億円の黒字を見込む。有利子負債(54億円)も利益剰余金(30億円)とすりあわせても、負債は減額方向へ向かっている。

 さて、新会社設立は吉と出るか、凶と出るか。

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