第75話では、喜美子の常治へのプレゼントである家族の手作り大皿が完成する。喜美子の同級生・信作(林遣都)は、父・忠信(マギー)がマツタケを持って駆け込んでくるが、それを見たほぼ寝たきり状態だった常治は起き上がり、家族に言葉を掛け始め――というストーリーが描かれた。
この日の放送後、ツイッターでは「スカーレット」というワードのほか、「常治」「北村一輝」や、「号泣」「ファンデーションの塗り直し」までトレンド入りしていたが――。
「この日の最後、常治は眠りにつき、そのまま目覚めることなく、逝去したことがナレーションで語られました。眠りにつく前には、喜美子の頭を子どものように撫で、『ほな、またな』と言って亡くなるという涙を禁じ得ないものでしたが、これに視聴者から『お父ちゃんいないと寂しい…』『朝ドラ屈指の愛すべきお父ちゃんだった』という声が殺到。これまでの朝ドラでも特にその死が悲しまれたキャラクターとなっていました」(ドラマライター)
常治と言えば、当初は家にお金がないにも関わらず酒を飲み続けたり、喜美子の就職先を勝手に大阪で見つけて来たり、喜美子の給料の前借りに行くなどの自分勝手さが目立ち、『クズ』『パワハラ親父』などと言われていたが――。
「とは言え、喜美子から掛かってきた電話に号泣したり、なんだかんだと娘を想い、情に厚い常治は“憎めないキャラ”に。典型的な昭和親父ですが、中には自身の父親と重ねる視聴者も多かったようで、『不器用な感じ、うちのお父さんみたい』『昭和の親父ってダメダメだけど実は優しいよね。昔を思い出した』と共感の声も多く聞かれました。また、常治に振り回されるたびに喜美子はその先々で自分の道を見つけ、成長。とうとう陶芸家の道を歩み始めたこともあり、『貧乏でも仕事で成功しなくても常治さんほど幸せな人はいなかった』『朝ドラ史上最悪の親父と呼ばれた常治が、家族友人に囲まれてこんな幸せな死に方をさせてもらえるとは誰が予想しただろうか』という声が聞かれていました」(同)
多くの視聴者が悲しんだ常治の死。これを乗り越え、喜美子はまた成長するのだろうか――。