バックダンサーとして、すでに高い人気を得ていた彼ら7人は、2011年2月12日、東京・国立代々木競技場第一体育館でライブをしていた。MCの最中、バックダンサーで協力していたジャニーズJr.の安井謙太郎が突然現れ、手にしていた茶色い封筒を、リーダーの北山宏光に渡した。ドッキリ演出に戸惑うメンバー。開封し、中に入っていた紙に、8月の歌手デビューが綴られていたのだ。
夢にまで見た瞬間を、ファンと一緒に知るというシャレた演出に、メンバーもファンもマジ泣き。感動の一夜はのちに“茶封筒事件”と命名され、いまだに語り継がれている。
そのキスマイは、デビュー直後の11年9月、東京・帝国劇場でライブを開催。公演最終日、今度はジャニー喜多川社長が動いた。
バックダンサーとして出演していた中島健人ら5人が舞台袖で待機していたとき、赤いバラを手にしたジャニー社長が走ってきて、こう言った。
「忘れ物。これ、持っていきなよ。Sexy Rose。枯れないバラだよ」。これがCDデビューを意味すると知ったのは、公演終了後。記者会見が開かれ、自分たちが5人組ユニット・Sexy Zoneになったと知らされた。
ちなみに、ジャニーズで1年に2組のユニットが歌手デビューしたのは、後にも先にもこの年だけだ。
翌12年、ジャニーズ初のDVDデビューをはたしたA.B.C-Zの場合は、意外とサラリとしていた。自身の公演の打ち合わせがあると告げられ、その場所で集合。当日のプログラム概要が書かれた資料の上のほうに、小さく「DVDデビュー」と書かれていた。
疑問に思った河合郁人が、「ジャニーさん、これ何?」と聞くと、「YOUたち、DVDデビューだよ。これからは、バックじゃなく、自分たちでやっていくんだよ」(ジャニー社長)。そのとき、前例なきDVDデビューが、歌手デビューと同じ意味を持つことを知った。
イキな形で大事なことを打ち明けるジャニー社長。次に“茶封筒”を受け取るJr.は、いったい誰だ!?