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AJC杯 エアシェイディが悲願達成 次の矛先は!?

 久々のフルゲートとなった「第49回AJC杯」(JpnII 中山芝2200m 27日)は無冠の帝王エアシェイディが重賞15度目の挑戦にしてようやく勝利の美酒に酔った。勝ち時計は2分13秒6(良)。一方、同じく無冠の1番人気ドリームパスポートは5着に敗れた。結果的に「ツキ」が明暗を分けた形となった。
 2番人気で単勝610円。今回もファンからは「ヒモあって頭なし」キャラに見立てられたエアシェイディだったが、15度目の重賞挑戦で悲願の1着ゴールを果たした。
 「勝つには運も必要」とは伊藤正師の言葉だが、その通りの展開になった。前半5F通過は61秒2。ペースはさほど速かったわけではないが、逃げたアドマイヤメインが4角を前にして早々と失速。ドリームパスポートが押し出されるように先頭に立ち、背後をピタリとマークしていたシェイディにとっては格好の目標となった。
 さらに、直線は馬込みに入れ、いざ追い出すと前がパッとあく幸運のオンパレード。断然1番人気のパスポートがプラス10kgで転厩初戦というハンデがあったことを考えれば、天から何かを授かった、といっても大げさではない。
 殊勲の後藤騎手も胸の内を正直に打ち明ける。「今回は本当に『どげんかせんといかん』と。本当に何かをつかみたかった。もう神頼みだよ。そうしたらスペースがあいてくれた」

 そう言いたくなるのも無理はない。オープン特別では4勝と無類の強さを誇るが、重賞になった途端、GIII2着4回、3着1回、GII2着2回。陣営は何度ほぞをかんできたことか。
 トレーナーは「もちろん、ペースなど運も味方したが、昨年、わざとマイルを中心に使って競馬を覚えさせたことが実になった形。ここにきてようやく充実してきた。逆に今後の使うレースが難しくなった」と喜びを隠さなかった。
 ただ、いくら使ったレースが少ないといっても今年で7歳。残された時間は少ない。今春はマイル路線を歩むのか、はたまた春の天皇賞に目標を定めるのか。この重要な分岐点でも、「運」が大きくかかわってきそうである。

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