▽16日 神奈川・川崎25Dスタジオ
▼性別無視のド迫力対決(30分1本勝負)
○井上京子(9分50秒 片エビ固め)ガッツ石島●
※急所蹴りからのラリアット
女子プロレスラー、ジャガー横田がリーダーを務める悪のユニット、クライシスが今年2度目の主催興行を開催した。ジャガーが所属している女子プロレス団体ディアナとの対抗戦が4試合組まれた今回の大会だが、セミファイナルで注目の対戦が組まれたのだ。
井上京子はディアナの代表選手で、全日本女子プロレスで一世を風靡し、全女退団後は、ネオ・レディース、NEOなど団体を牽引。男子レスラーの冬木弘道さん(故人)とは、対戦もタッグ結成もしており、男子選手に混じっても遜色ない試合を繰り広げていた。そんな京子が、冬木さんやターザン後藤をリスペクトし、現在は真GUTS軍として、インディー統一を掲げているガッツ石島とシングル対決をするというのだから、これは興味深い。120kgの石島との対戦は、久々にあの頃の京子が見られるのではないか。そんな期待があった。
試合は、コールとともにガッツが奇襲。場外戦に持ち込むと、ガッツのセコンドに付いていたクライシスの藪下めぐみやKAZUKIも加勢し、京子はいきなり劣勢に。しかし、ガッツとのタックル合戦になると京子は一歩も引かず、逆にラリアットでガッツをなぎ倒して見せた。まさにあの頃の京子そのものである。試合中盤になると、ガッツが「このブサイクがぁ」と挑発。すると、京子も「お前の方がブサイクだろぉ」と応戦。ガッツは冬木スペシャルを繰り出すなど、京子のスタミナを奪いに行くが、京子はコーナーから対角線のラリアットを決めるなど、残るパワーを振り絞ってガッツに対抗していく。場内はあまりの迫力に響めきが止まらない。最後はレフェリーをクライシスが引きつけていることを逆利用した京子が急所蹴りから、強引なラリアットを放ち片エビ固めをガッチリ決めてカウント3。試合後もお互いに「ブサイク」と罵り合っていたが、京子が苦戦しながらも頭脳戦で勝利を収めている。
この試合を会場の隅から観ていたというジャガーは「さすがは井上京子という試合だった。それに対抗していったガッツも大したもの。迫力があった」と絶賛。ガッツは「15年プロレスをやってきたけど、プロとして教わる部分がまだあるんだなと思った試合だった。もう一度やりたい。来月7日のタイトルマッチ(TORUが保持するCCWカナディアンヘビー級王座に新木場で挑戦)の前に井上京子と試合が出来たのは良かった。今日は負けたけど、今日は今日だから。7日に向けて最高の状態に仕上げていく」と語り、京子との再戦を熱望するとともに、12.7新木場大会でのタイトル奪還を誓っていた。
この試合、今度は男子団体のファンの前で見てみたい。
(どら増田)