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金本・阪神「自力優勝消滅」で早くも始まった戦犯探しトラ劇場

 坂井信也・阪神球団オーナーが、7月11日のオーナー会議で漏らした「タイガースは消滅した」という発言が、物議を醸している。自力優勝が消滅し、最下位を争うチーム状況を表現したのだろうが、コーチ経験すらない金本憲知監督(48)を誕生させた判断に誤りがあったことを言外に認めたともとれるからだ。

 開幕当初こそ順調だった金本阪神は、交流戦から次第に失速。前半戦87試合を37勝47敗3分、首位広島に14.5ゲーム差の5位でターン。金本監督は「ここまで打てないとは想像していなかった。鳥谷敬、ゴメスのここまでの不振は想定外。考えられないミスが多かった」と振り返った。
 これに「待ってました」とばかり、阪神のOB連中が食いつき、お家芸ともいえる足の引っ張り合いが始まった。「コーチ経験のない人に監督は無理」「超変革を唱えながら起用しているのはベテランばかり」という声が上がっているのだ。
 「それぞれのOBが、契約するスポーツ紙などで金本批判を繰り返しています。新人監督の1年目としては異例の早さです」(スポーツ紙デスク)

 批判はこれまでもあったが、金本監督の後見役である星野仙一氏によって抑えられてきた。しかし、球団副会長を務める東北楽天が借金11、首位ソフトバンクに20.5ゲーム差の4位に低迷し、金本監督を擁護する余裕などない。
 本来なら一気に政権交代へと動いてもよさそうだが、金本監督は今季から3年契約を結んだばかり。しかも球団は「2年間最下位になってもいいからチーム改革を」と三顧の礼を尽くして就任要請した経緯があるため、面と向かった退陣要求はしづらい。

 そこで出てきたのが、自主的な給与カット、一部返上の要求だという。舛添要一前都知事は例外だが、政財界の首脳は結果を残せなかったりした場合、自主的に給与の一部返上を申し出ることが多い。
 「金本監督の年俸は推定1億2000万円と、12球団の最高クラス。これを自主的に返上させ、嫌気の差した金本監督に早期退陣させるというシナリオです。経費節減に繋がるとあって球団もOB連合の論調に好意的。いかにも浪花の商人らしい発想ですが…」(阪神OBの野球解説者)

 自力Vが消えた以上、球団はチームが最下位になることを願っているフシがある。OB連合が「もらい過ぎだ」とファンを煽り、監督が年俸の一部自主返上を申し出る。そうなれば、選手の年俸も一気に下げられ、代わりに反骨心が生まれる。実は、これこそが金本監督が考える「超変革」という。
 冒頭に記した坂井オーナーの“阪神は終わった”発言は、金本監督と意を通じた出来レースという見方もある。案の定、罠にはまったOB連がここぞとばかり、あら探しに躍起になっているからだ。
 頭の中も筋肉の塊のように映る金本監督だが、実は結構な寝業師。阪神OBを見事に手玉にとっている。これもまた、「トラ劇場」。

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