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10月からタバコ値上げ 禁煙の義務化も急速に進む中、“喫煙をやめない”が9割

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 約8年ぶりとなる“たばこ税の増税”を受け、たばこメーカー各社が各商品を10月1日から値上げすることを相次いで発表。値上げ幅は10円〜90円で、各社の主力製品は20円〜40円の値上げとなる。値上げの申請が行われたのは、紙巻たばこ122銘柄や加熱式たばこ「プルーム・テック」7銘柄など合計150銘柄だ。昭和の時代、1箱200円前後だったたばこが、いよいよ“1箱500円の時代”へと突入する。

 愛煙家に追い打ちをかけることはそれだけではない。今月18日、兵庫県の「受動喫煙防止条例」検討委員会で、子どもがいる車の中や公園などでの禁煙について「義務化を明示すべき」との見解で一致。東京都では同条件での禁煙を「努力義務」として、原則は屋内を禁煙とすることが可決し、2020年4月から施行することが決定した。また、国が定める「改正健康増進法」よりも厳しい方針を打ち立てている地域も存在する。前述の法案では、例外的に従業員のいる客席面積100平方メートル以下の既存の小規模店舗で喫煙を認めている。これに対し、東京都や千葉市など一部では、“喫煙専用室を設けない限り禁煙”とし、違反して改善命令に従わない場合は5万円以下の過料を科す方針だという。

 喫煙者にとっては、年々非常に厳しい状況になってきている。さらに今後は禁煙者が増えていくのだろうか。今月18日、株式会社クロス・マーケティングが一都三県(埼玉、千葉、東京、神奈川)に住む20歳〜69歳の男女2000人に行ったインターネット調査によると、増税後に「禁煙する」と答えたのはわずか12.1%。約1割という結果になった。全体の44%は、「特になにも変えない」、40.7%が「吸う本数を減らす」と回答しており、今後も喫煙を続けるという意見が多かった。

 東京都が行った2017年の調査では、都内の飲食店のうち「全面禁煙」が44.7%、「分煙」と合わせると64%という結果に。飲食店で自主的な分煙対策も進み、居酒屋だけでなく飲食店ビル全体が禁煙というケースも珍しくなくなっている。喫煙するには、屋内ではなく屋外にある街の喫煙所を頼るほかないが、そのスポットさえ減少傾向にある。さらに“紙巻きタバコはNGだが加熱式たばこはOK”という喫煙スペースもあり、特に従来型の紙巻きたばこの喫煙者は、かつてないほどの窮地に追い込まれていると言えるだろう。

 このような悪条件が並ぶ中、なぜ喫煙者はたばこを止めないのだろうか。先に挙げた株式会社クロス・マーケティングが同じ対象者に喫煙する理由について尋ねたところ、「気分転換」との回答が52.4%と最も多く、その後は「リラックス」(45.1%)、「生活の習慣」(44.5%)、「ストレス解消」(40.4%)、「口が寂しい」(24.1%)と続いた。また、「喫煙者同士のコミュニケーション」(14.7%)という意見もあった。価格が1箱500円〜600円に上がることを理由に「止める」という人は少ないのは、仕事などの合間に一息つくリフレッシュやストレスを緩和させる効果の大きさに他ならないのだろう。

 経済的負担を減らすため、あれこれと工夫をしている喫煙者も存在する。例えば充電式のビタフル(VITAFUL)は有害物質をほとんど発生させないニコチンやタールが“ゼロ”とされている電子たばこだ。味のついたフレーバーミストで、リフレッシュの目的で作られた。使い捨てのものはスティック1本で1050円だが、約500回も吸引できる。通常の紙巻きたばこが1本で12回吸えると仮定すると、約41本分となり非常に経済的だ。こうした電子たばこであれば喫煙可能なスペースも広がるため、従来型のたばこと併用しているというタイプも少なくないそうだ。

 依存の度合いが高いほど経済的にも身体的にも負担のかかるたばこ。今後は節約や健康のため、さまざまな商品が開発されそうだ。

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