昨年はダービー、3年前にはチャレンジカップが行われ、瀬戸内地区ではSG開催が割と多い丸亀だが、モーターボート記念に限れば19年ぶり。そのときの優勝者である平尾修二さんは、昨年亡くなられている。歳月は重い。そして今回、当地のモーターボート記念はナイター開催になった。以前とは違って、エンジンも平和島や多摩川と同じ減音型だ。ただし、丸亀のエンジンは馬力のあるタイプで、住之江や大村に近い。関東の選手に慣れたものとは、調整の仕方が異なるようだ。
「同期の秋山(広)君の世話になっています」
初戦のイン戦をモノにして、村田修が言葉にしたのはそういうわけ。前走の多摩川を快勝。自分のお膝元で「調整が分かりやすい」といっていたのとは対照的だ。それでも幸いなことに、ここには地元の同期生がいた。「エンジン本体には恵まれた」。先を見据えてプロペラ調整室にこもるレース後だった。
「スタートして伸びて行く感じだったし、悪いところはない。2日目の出番に応じて、改めて試運転していきます」
それなりに好感触を感じていても、心配になるのは慣れないエンジンだからだし、手を抜けないのはSGの舞台ゆえだ。2年前の桐生グラチャンでは、いきなり昼のレースのインに組まれて失敗。リズムを崩した覚えがある。今回も不安同居の2R発進だったが、白星で飾ることができた。
2日目の出番は11R。すっかり夜のレースになった。ここでは「あの人は出ている」という、松井繁が外枠から被せてくる。内枠の面々もなかなか手強い。だからこそ試金石。19年前に香川の『シュウジ』が優勝した水面で、いま東京の『シュウジ』が奮闘する。