陽キャとは陽気でキャピキャピしている、クラスでも目立つ存在。部活動も花形のダンス部や、運動部が多い。一方、陰キャは真面目でおとなしく、目立たないタイプの事を指す。部活はもちろん文化部である。
学校での休み時間の過ごし方も、陽キャは大勢で一人の机に集まり、人気の芸能人のSNSをチェックしキャーキャー騒いでいる。それに対して、陰キャは自分の机から動かず、机の中からおもむろに本を取り出し読み始めるなど、完全に一人の空間を作り出す。
陽キャのトレンドと言えば、“TikTok”に代表される動画投稿・共有アプリ。可愛さを競うダンスや目を引く加工を日々研究し、友達を増やすことに情熱を注いでいる。一方、陰キャはニコニコ動画などでアニメやゲームのプレイ動画を視聴。あくまで自分やその周りのみの狭くて深い世界を楽しんでいる。
陽キャの多くの冬休みの過ごし方は、クリスマスも年越しも彼氏とデート。お正月は大勢の友達で福袋を買いに行き、仲間で服の交換会をして、インスタに上げる。まさしくキラキラした青春を謳歌しているのだ。
一方の陰キャは異性には縁がなく、年末年始も家族で穏やかに過ごすことが定番。自分の世界を大切にする傾向なので、オシャレやメイクなどにもあまり関心がない。趣味も読書、動画視聴など独りでインドアで過ごす事を楽しんでいる。キラキラ度はあまりない。
陽キャはお洒落やメイクアップ、デートなどにお金がかかり、バイトも居酒屋の店員などの接客業を選ぶことが多く、陰キャは主に趣味にお金を費やし、バイトもひっそりとファミレスのキッチンや、スーパーのレジ打ちなど、地味めな仕事を好む。
陽キャは何かと派手な交友関係になることも多く、いわゆる“危ないバイト”に手を出す傾向もある。目立つ容姿で大人びていても中身は高校生。悪い大人に騙されるのもこのタイプに多い。方や、陰キャものめり込む特性があるので、気に入った事ならアクティブに行動する。クリスマスには興味がなくても、年末の「コミックマーケット」、いわゆるコミケには大挙して押し寄せるのだ。昇華していくとコスプレを見る側からやる側になり、「陰キャ内陽キャ」が登場するなど、ややこしい状況も多々見られる。また、肌を露わにするアニメキャラなどに扮するので、ストーカー被害も後を絶たないなど、こちらにも危険が潜んでいる。
おじさん世代でもある程度の区分けはあった。しかし、ここまでハッキリと分かれていなかったような気がする。また、陽気なグループは昔から派手な行動で、いまの“陽キャ”とあまり変わらない感じもするが、おじさん世代の“ネクラ”と言われていた人たちと、“陰キャ”のギャップは激しい気がする。オタク文化が“COOL JAPAN”などと位置付けられたことによる影響も大きいのであろう。
どちらにせよ、おじさんにはJKの世界は理解できないことが多すぎるので、下手にわかったふりをすると、大やけどするので要注意。間違ってもTikTokやってみようかな、なんて気を起こさぬように…
文 / 萩原 孝弘