冒頭陳述などによれば、この事件は中国残留孤児マフィアグループのリーダーが中心となり、実行に移されたようだ。検察側は、中国残留孤児三世の安被告がリーダーに集められ、実行犯的な役割を果たしたと主張している。
「ところが法廷に現れた安被告はスーツにネクタイ、坊主頭にメガネ…と、見た目は“お坊ちゃん”。しかも証言台の前に立つ時や座る時に、深々お辞儀していました。裁判員への反省アピールでしょう」(司法記者)
というのも、安被告が東京地裁の法廷に被告人として立つのは、これが初めてではない。なんと2010年には殺人未遂罪で実刑判決を受けており、服役中の身だったのである。
「クラブで肩がぶつかったとしてケンカになった男性の首を切りつけたんです。これにより男性は頸動脈切断の重症を負った。刺されたことで左の声帯が動かなくなったそうで、声も30代には思えないガラガラ声でした。とにかく安被告の凶悪ぶりは凄まじいものがあります」(当時傍聴していた記者)
このときの安被告も、今回と同じく坊主頭にスーツと“良い子”な出で立ちで「中国残留孤児三世なので1年以上の懲役刑だと強制送還される。考慮してほしい」などと訴えていたが、懲役8年6月の判決が下されていた。さらにその前にも服役前科があるほか、少年時代の逮捕歴は2回と、とんだ暴れん坊なのだ。
初公判では「被害者にスタンガンは押し付けてません」「被害金額は報道されてから初めて知った」などと主張したが、どこまで通用するか。