「『ロングバケーション』は1996年の4月から6月まで、フジテレビ系で月曜9時に放送されたドラマですね。婚約者に逃げられた31歳のOLである葉山南(山口智子)が、婚約者のルームメイトだった音楽講師である瀬名秀俊(木村拓哉)と奇妙な同居生活をはじめるものです。31歳の南と24歳の瀬名は、年齢差もあるため、単なる同居人でしたが、徐々に恋愛関係に陥っていくストーリーが見ものでした。瀬名には、芸術大学の後輩の恋人である奥沢涼子(松たか子)がおり、さらに、ピアノ教室の生徒に斉藤貴子(広末涼子)がいるなど、豪華なキャスティングも話題となりました」(芸能ライター)
ドラマにおいて、瀬名は大学院入試に失敗し、ピアノ教室の講師で生計を立てている。南も婚約者に逃げられた身である。ともに人生の空白期を過ごす、似た者同士が惹かれ合っていくさまが人気を博したのだろう。
「当時、山口は多くのドラマに出演していました。その役柄は、男性と肩を並べてはたらくキャリアウーマンや、結婚後も仕事を続ける主婦といったものでした。そうした強い女性像に世の中のOLたちが共感していったのでしょう。『ロングバケーション』では2人の髪型や仕草を真似る男女が続出したほか、年上女性と年下男性との恋愛なども知名度を獲得、さらに、瀬名の影響からピアノを習う男性が現れるなど、『ロンバケ現象』とも呼ばれるブームも巻き起こしました」(前出・同)
90年代リバイバルはあらゆる場で起こっているといえるが、期せずして実現した『ロンバケ』コンビの共演に期待したい。