東京都世田谷にある豪徳寺。ここは彦根藩の井伊家累代の墓がある由緒正しきお寺でございますが、元々は貧しいお寺でございました。
ある日、彦根藩二代目藩主・井伊直孝が鷹狩りに出かけました。その帰り、のちに豪徳寺となる弘徳院の前を通りかかったところ、この寺の飼い猫が門前で手招きをするような仕草をしていたため、これを見た直孝は立ち寄って休憩をすることにしました。しばらくすると、天気が悪くなり雷雨が降り始めました。直孝は雨に降られずにすんだと大いに喜び、また雨宿りをしながら和尚の説法を聞くうちに和尚とも親しくなり、その縁が元で弘徳院に多額の寄進をし、豪徳寺と改め、井伊家の菩提寺としたそうです。
猫が招いた縁によって盛り返した豪徳寺は、後に境内に招猫堂を建立し、猫が片手をあげ招いている姿をかたどった招福猫児(まねぎねこ)を作るようになりました。ひこにゃんは、この井伊家と招き猫の伝説を元にしたキャラクターなのです。
また、直孝が豪徳寺の木の下で雨宿りをしていたところ、猫が手招きをするので近づいてみたところ、先ほどまで雨宿りしていた木に雷が落ち、直孝は間一髪で落雷を避けることができた、という伝承も残っております。
招き猫伝説は豪徳寺以外にも、新宿の自性院を発祥の地とする説や、京都の檀王法林寺を発祥とする説など、いくつもの説があります。
豪徳寺の招き猫をモチーフにしたひこにゃんは大ヒット! 筆者もそのご利益にあやかりたいと、豪徳寺に行ってきました。
豪徳寺は小田急線の「豪徳寺」駅から商店街を抜けた、閑静な住宅街の一角にあります。
仏殿の左、墓所に抜ける道の途中に招猫堂を発見。早速のぞいてみると、大小さまざまな大きさの招き猫が奉納されていました。こちらの招き猫は黒目がちでとってもキュート。ずらりと並んでいても怖くありません(笑)。300円の豆サイズから5000円の特大サイズまであるので、祈願内容とお財布に見合ったサイズを購入しましょう。筆者は小サイズと豆サイズのお守りバージョンを購入。招き猫さま、ご利益期待しております!
戦国武将とパワースポットブームで明治神宮の加藤清正の井戸が大人気ですが、ここ豪徳寺の招き猫もご利益満点、是非訪れてみてはいかがでしょうか。
(みかめゆきよみ 山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou