毎年、流行語大賞の発表を聞いて一年を振り返ったりする人々も多い一方で、毎年「え、そんな言葉を使っている人、自分の周りでは一度も見たことないよ?」なんて声も聞かれます。
さて、2010年の流行語大賞に選ばれたのは「ゲゲゲの」でした。漫画家・水木しげるさんの妻、武良布枝(むら・ぬのえ)さんによる自伝『ゲゲゲの女房』がNHK朝の連続テレビ小説として放送、大きな話題となったことが受賞の理由なのだそうです。
さて、みなさんは今年、「ゲゲゲの」という言葉をよく使用されていたでしょうか?
実は私は、これまでの流行語大賞に選ばれた言葉の中で、今年の「ゲゲゲの」を最も多く実際に口にしたことがありました。
というのも、私は大の水木しげるマニアであるため、「ゲゲゲの鬼太郎」をはじめとした水木作品に関する話題もほぼ毎日、口にしているからなのですが(笑)。まぁ、毎年当然のように使っている言葉ですので今年の流行語という感覚もございませんが…。
そんな水木しげる先生を愛してやまない愛好家の人たちはともかく、それ以外の方にとっては「ゲゲゲの」という流行語をどう使えばよいのか分からないというのが正直なところではありましょう。
そもそも、「ゲゲゲの」という言葉は幼い頃の水木先生が、「しげる」という自分の名前を上手く発言できずに「ゲゲ」と言っていたことからできた言葉でした。「ゲゲゲの鬼太郎」というタイトルは「水木しげるの鬼太郎」という意味なわけです。
つまり、「ゲゲゲの」という言葉の使い方としては「ゲゲゲの漫画を買ってきて」「私、ゲゲゲの親戚の親戚なんだ」「ゲゲゲのような生き方を私もしてみたい」と、まぁこのように使うのがよいでしょう。
要するに「ゲゲゲの」という言葉を使うということは、水木しげるについて語るということなので、水木しげるファン以外の方が使う機会はあまりないのかもしれません。
松崎しげるさんや室井滋さんも幼い頃に自分のことを「ゲゲ」と言ってくれていたのだとしたら、バリエーションも増えそうなのですが。
(「作家・歩く雑誌」河童の三平を読む度に号泣しちゃう中沢健 山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou