主要キャストには、芳賀優里亜、臼田あさ美をはじめ、イケメン俳優、永岡佑、小林俊が顔をそろえ、鮮烈な輝きを放っている。
脚本・監督を務める山本清史さんに撮影のこだわりや、キャスティングについて聞いてみた。
Q:従来のジャパニーズホラー、いわゆるJホラー映画との違いは何でしょうか?
山本清史監督:ほとんどのJホラーは、幽霊や呪いの原因を追求するような描かれ方をしていますが、この映画はあくまでも「事象」としてとらえています。超常現象に「理由づけ」はしないということです。
Q:予告編を見ましたが、痛そうなシーンが多いですね。こだわりは何でしょうか?
山本清史監督:日常生活の中で実は怖いなと思うようなことを盛り込んでますね。歯ブラシを取るつもりがT字カミソリを取って歯を磨こうとするといったような何気ない日常シーンの延長ですね。
Q:映像のトーン(色合い)に気を配った点は?
山本清史監督:市川 崑監督の影が多い暗い映像が好きで、見えるか見えないかのギリギリを狙っています。イタリアのホラー映画監督、アルジェントの作品やフランス映画のトーンを意識しているところがあります。
Q:日米合作という形になった経緯は?
山本清史監督:2006年の映画『水霊 ミズチ』を見た日本人の映画プロデューサーから、アメリカ人のプロデューサーがホラー映画を撮れる監督を探しているという話があり、企画書を出して決定しました。
アメリカ人プロデューサーのリクエストは、ハイスクールガール(女子高生)をメインに使ってくれということでしたね。
Q:アメリカ人プロデューサーが映画を見た時の反応は?
山本清史監督:イタリア系アメリカ人ということもあり、「アートだ」と言われましたね。イタリアのホラー映画は色合いがアートなんですよ。今回、日本で編集したものを更にアメリカで再編集する形式を取りました。
女子高生文化や映画内の時系列を理解できないかな? と思いましたが、逆にそういった部分を評価してもらいました。台詞1つ1つの背景はわからなくても、「痛い描写」は万国共通ですから。
Q:映画の中に一部、実体験を取り入れてると聞いてますが?
山本清史監督:痛い描写については実体験から取り入れています。体を傷つけるシーンは体験した人から話を聞いて映画に反映させています。
Q:この映画の撮影でこだわりはどんな所でしょうか?
山本清史監督:事前に配役の資料を渡していたので、役者さんの演技はまったく問題なかったのです。
「ホラー顔のシーン」はタイミングが大切なので、何回か撮り直しました。目線や顔の向きといった「気持ちの良いタイミング」は秒単位でこだわりましたね。
映画の中で体の一部を傷つけるシーンがあるんですが、血が吹き出るタイミング、血の量、カメラのタイミングといったところは台本の段階で細かく決めていました。
Q:映画に出演している女優陣は美人ばかりですね。キャスティングはどのように決定したのでしょうか?
山本清史監督:低予算の映画ということもあり、アメリカ側からキャスティングの制約が無かったのは良かったです。
大好きなイタリアのホラー映画に出る女優は美人ばかりなので、今回は美人の方だけをキャスティングすることにこだわりました。グラビア・アイドルや有名すぎる女優ではなく、イメージが固定されていなくて、しっかり演技ができる女優やモデルを選んでいます。
Q:男性陣に若手を起用されていますが、狙いは?
山本清史監督:映画を撮影した2008年当時はイケメンブームだったので、日本市場を意識してイケメン俳優で『これからの人』を起用しています。
Q:撮影現場はどのくらいの期間でしたか?
山本清史監督:12、3日ぐらいで順調に撮影できましたよ。明るく笑いの絶えない現場でした。
Q:映画『END CALL』を観る人に伝えたいことは?
山本清史監督:暗い日本の現実よりも、さらに暗い世界が描かれてるので、映画を観た後に「頑張ろう」と思ってほしいですね。
衝撃の緊急上映決定!! 日米合作ホラー映画『END CALL』
10月16日(土)〜10月29日(金)シアターN渋谷にて2週間限定レイトショー!
http://endcall.net/
※山本清史監督 http://luluie.com/
※Photo:Sakiko Kishimoto
※聞き手:文科系忍者記者ドラゴン・ジョー(山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou