すると、共演している渡辺和洋アナ(32)が叫んだ。
「お誕生日おめでとうございまーす!」
ああ、そうか。11月15日は平井の誕生日だった。番組では本田朋子アナ(23)が、平井の母からの手紙を代読し、平井が「えっ?」という表情をしながら涙している。ドッキリは大成功だ。
もう平井理央も26かぁ。おはガールの頃から見ているこっちとしては、感慨深いなぁ。彼女のアイドル時代、書店で開かれたイベントにも行ったっけな。「獣医さんになりたい」なんて言ってたけど、まさか女子アナになるなんて思いもしなかった。そういえば、平井が女子アナになることをスッパ抜いたのは、実は私である。
なんて懐古はどうでもいい。よーく考えてほしい。これはバラエティーではなく、「すぽると!」なのだ。ニュース番組内で女子アナのお誕生日会を開催しているのである! なんて画期的な画なんだ!
いや、べつに怒っているわけではない。むしろ考えさせられてしまった。何を考えさせられたかというと、こんな破天荒なことに寛容な空気を作っているフジテレビの社風を、だ。
この日が最終回でもなければ、結婚報告でもない。年に一度は誰でも必ず訪れる誕生日をイベント化して、ニュース番組内で母からのドッキリ手紙で女子アナを泣かせることに革新性を見たのだ。
まさか、「公共の電波を私用に使うな!」「そんなの楽屋でやれや!」なんてカタイ人はもういないだろう。そんな人はフジテレビを見ているだけでグッタリしてしまうから見ない方がいい。空気が読める平井は、エンディングで「こんな公の場所で親子の対話をしてしまって、申し訳ございません」と謝罪している。
このように、時代を革新していくのはいつもフジテレビだ。そして、それが女子アナの好感度を上げながら行われるのだから、他局としては脅威としか言いようがないだろう。