アマチュア野球を取材する記者がいう。
「清原と桑田の二人は、高校野球ファンの間では“神様”なんですね。依然として人気は高い。今年、新人王になった楽天・田中や早大の斉藤が大騒ぎされたけど、セン在的人気では甲子園のスーパースター“KKコンビ”の清原、桑田にはかなわない。永遠のスターといっていいでしょう」
つまり、清原と桑田は、野球ファンから見ると「ユニホームを着ていればいつも見たい選手」なのだそうである。
ここに目をつけたのがオリックスというわけだ。担当記者が言う。「オリックスは弱い、人気がない。この二重苦に苦しんでいます。その打開策として、まず人気面のテコ入れをしようというわけです。清原を抱えているところに着目し、清原を生かすには桑田とセットでアピールするのがいいと考えたようです」と。
今シーズンの清原は春のキャンプでリタイヤし、いわゆる“全休”。本来なら、カド番脱出ならず、で現役引退なのだが、人気の点ではいまだに全国区でチーム一。切るに切れないという状態なのだ。
「オリックスは清原、桑田の人気度、関心度をリサーチしたようです。そうしたら予想外の人気を維持していることが分かったといいます」(評論家)
甲子園のヒーローも現在は清原40歳、桑田39歳。いい年である。製造日は古くても賞味期限はまだ十分、ということなのだ。
清原は桑田が今シーズン、大リーグに挑戦してまがりなりにもパイレーツで登板したのを見て、「ワシもまだやるで」とやる気を見せた。それがテレビなどでファンに伝えられたものだから、「親友復活」とか「大物の再挑戦」などと期待に変わった。
「清原と桑田はもうロートルです。試合に出ても、大して打てないだろうし、三振も取れないでしょう。それでも人気のある分、球団としてはありがたい。成績には目をつむるでしょうね」(オリックスOB)
カギは桑田である。本人は脚を手術して再起を決意し「もう一度マウンドへ」と公言。「できれば大リーグで投げたいと言っている」と桑田番記者。しかし現実は「大リーグは難しい。米国に残ってもファームからの挑戦になるが、来年4月に40歳になる投手に、たとえファームでもオファーがあるかどうか…」と付け加える。
桑田には通算200勝の夢がある。“名球会”入会の資格がそれなのだ。既に清原は2000安打をマークして会のメンバーになった。桑田はあと27勝。日本ならばまだ可能性はある。
「桑田のテクニックなら楽天や西武から勝てる。先発で5イニング投げ、勝利投手の権利を取れますからね。波に乗れば2ケタも可能。本当はオリックス相手に投げた方が勝てる確率は高いんですけどね(笑)」と評論家。
人気が落ち目のプロ野球。清原、桑田の“KKコンビ”はありがたい存在なのかもしれない。