シャブ山シャブ子は女優の江藤あやが演じた極度のシャブ中の女性。同ドラマでは奇声を発しながら、ベンチに座る刑事を背後からハンマーで襲って殺害し、取り調べで「シャブ山シャブ子です! 17歳です!」と白目をむいて答える姿が「衝撃的」だと話題になった。放送後にはTwitterでトレンド入りし、江藤自身も自身のツイッターでシャブ子になりきった写真を公開。「こんな役を演じられるなんてすごい」「話題になっているのだから表現者としてはとても誇りに思えること」といった称賛が相次いでいた。
しかしながら、一方で「薬物依存の方への偏見を助長する」「配慮が足らない」という声があったことも事実。こういった事情を踏まえ、同ネットワークは抗議に至ったと思われる。しかしそれでも、ネットでは「薬物は恐いものということが伝わったからよかった」「覚醒剤抑止の観点からは意味があった」と肯定する声がいまだに絶えない。
「肯定派の中には、『外国の演出はもっと過激』と海外と比較する声も見受けられます。確かに、海外ドラマなどでは薬物中毒者の描写をかなりリアルに描いていますし、演技もリアル。日本のようにアイドルや人気俳優が名前だけで役を取ることはあまりないので、演じる側もより本物に近い演技をするのだと思います。最近ではHuluやNetflixなどで簡単に海外ドラマが見られるので、そちらに慣れてしまうと、日本ドラマから離れていく人がより増えるのではないかと懸念されますね」(海外ドラマに詳しいライター)
ちなみに、シャブ山シャブ子を演じた江藤自身は、インターネットで薬物依存症を調べたり、精神科医に患者の特徴など聞いたりして役作りをしたそうだ。いずれにせよ、大きな反響を生むほどの名演技だったことは間違いない。