「先月30日に都内の病院に入院し、手術は2日に行われた。開胸、開腹し、患部を摘出して胃と食道をつなげる8時間近い大手術。妻で歌手の原由子は手術室近くを離れず、術後も献身的に付き添った。術後の経過は良好で、担当医も驚くほどの回復ぶりをみせているという」(芸能記者)
桑田はラジオ番組で担当医に「1年後にはステージに立てるでしょう」と言われたと明かしており、ライブ復帰の時期は1年後をめどにリハビリやボイストレーニングなどを進めていくようだが、これまで食道がんを患った芸能人たちはどのぐらいかけて復帰したのだろうか?
「水戸黄門」の黄門様役でおなじみだった俳優の西村晃は95年11月にのどの不調を感じて入院。食道と胃の付け根ががんに侵されていることが分かり、食道と胃をそれぞれ半分ずつ摘出する手術を受けた。リハビリを重ねて翌年5月に退院。手術から約1年後の同年10月にラジオドラマに声だけで出演し仕事復帰。その後、ドラマに出演したが、97年4月に心不全のため74歳で亡くなった。
落語家の立川談志は97年9月に高座で食道がんであることを告白。手術前の高座では「食道(食堂)がんなんてゴキブリみたい」と談志らしい毒舌ぶりだったが、約3センチ大のがんは初期段階で、手術は内視鏡でがんを取り除き約1時間で終了。手術から10日後に退院するとその足で高座に復帰した。
しかし、翌年にはがんが再発。8月中旬の検査で食道に腫瘍(しゅよう)が発見され、翌月に手術を受けた。現在は体調不良のため長期休養中。1日も早い復帰が待たれる。
俳優の藤田まことは食道がん治療のため08年3月に食道に腫瘍(しゅよう)が見つかり、5月に手術を行い、8月に退院。2カ月半点滴生活を送りながら「復帰するんだ」という信念を捨てず、10月にはドラマの収録に参加し仕事復帰を果たした。しかし、翌年、慢性閉塞性肺疾患により出演予定だったドラマを降板。その後リハビリを続けていたが、今年2月、大動脈瘤破裂のため76歳で亡くなった。
世界的指揮者の小沢征爾は今年1月に食道がんであることを公表。食道を全摘出する手術を行い、2月に退院。半年後の復帰を目指して治療に専念し、今月、イベントの公開リハーサルで復帰会見を行った。小沢は会見で桑田に「ニュースを聞いて驚いた。医学の発達もあるし、まだ(自分より)20歳も若いんだから大丈夫。音楽が助けてくれるよ」とエールを送った。