カブスは5月29日(日本時間30日)、故障者リスト(DL)入りしていた藤川が右ヒジの内側側副じん帯断裂のため、修復手術を受けることを発表した。
手術を受けた場合、通常は復帰まで1年以上かかるため、今季の出場は絶望となった。それどころか、来季の開幕にも間に合わないとみられる。
失意の藤川は「キャリアのなかでも初めての大きな故障だが、前向きに捉えて今より強い状態で帰ってきたい」と、自身に言い聞かせた。
今季の藤川は4月1日(同2日)のパイレーツ戦で初登板し、いきなり初セーブを挙げた。その後、いったんはセットアッパーとなったが、正式にクローザーに昇格。同9日(同10日)のブルワーズ戦では2セーブ目をマークした。
しかし、右前腕部の張りのため、同13日(同14日)に、15日間の故障者リスト(DL)入り。5月10日(同11日)のナショナルズ戦で復帰したが、同26日(同27日)のレッズ戦での登板で右腕に異常を感じ降板。再度、15日間の故障者リスト入りした。同28日(同29日)にMRI検査を受けた結果、じん帯断裂が判明した。
今季のこれまでの成績は、12試合に登板、12回を投げ、1勝1敗2セーブ、奪三振12で防御率は5.25だった。
メジャーデビューを果たしたばかりで、早々に故障に見舞われた上、今季が絶望となってしまった藤川。故障とともに痛いのが、年俸の出来高が吹っ飛んでしまったことだ。
藤川は2年総額950万ドル(約9億5900万円)で契約したが、各年に1年につき最大200万ドル(約2億200万円)の高額な出来高が付与されていた。出来高はクローザーとして試合完了数に応じて支払われる契約となっていたが、長期離脱により、ゲットできなくなってしまった。
さらに、3年目は13、14年シーズンの成績(交代完了数)によって更新されるオプションとなっており、一定の完了数をクリアできれば、3年目の年俸は最高で600万ドル(約6億600万円)になるとされていたが、手術のため、約1年間は投げられないことで、3年目の契約は流動的。更新されても、大幅アップは見込めなくなった。
ヒジは投手にとって、消耗品。長年、クローザーとして活躍してきた藤川にとって、今回の故障はそのツケだったのかもしれないが、金銭的にも大打撃を被ることになってしまった。
※為替は5月30日現在のレート
(落合一郎)