レース前、作業をしている浜野谷憲と言葉を交わす機会があった。当地前回、ほんの2週間前の「江戸川大賞」と同じエンジンに乗っている。当時との比較を改めて尋ねた。
前検あたりは「今回のほうが…」の言葉も聞かれたが、次第に回転を気にするコメントになってきて、確信めいたものは薄れてきた。正直、どうなのか!?
「前回と比べてじゃなくて、きょうは出ている、そんな感じがしますよ」
さりげなくも言葉自体は力強かった。そして予選ラストの11R、インから全速のスタートで押し切った。近況、イン戦がネックになってきたが、そこに不安は微塵もなかった。ゼロ台発進が5走中3本もあり、平均STがコンマ09と今節は気持ちよくスタートが行けている。
「まだビシッと合ったとは思えないけど、出アシに伸びとバランスが取れている。何より思い切りレースができているのがいいですね」
レース後のインタビュー、アシに関するところは抑え気味になっていたが、自分の走りに対しては、晴れ晴れした表情で胸を張った。
これで準優1号艇になっていたら、言うことはなかったのだが、惜しくも同率着回数の差で、笠原亮のインを見るカタチになった。今節切れているスタートでプレッシャーをかけて、優位に運びたい。ここには田中信、吉川元、魚谷智といった近畿地区の強豪もいる。それを突破すれば得点率1位、2位を占めた松井繁、湯川浩が優勝戦で待っているだろう。野球も競馬も西高東低の昨今、競艇では関東のエースの活躍を見たい。