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抜け出せない、追い切れない 采配問題だらけのセ・リーグ事情

 DeNA・中畑清監督(60)が「チームの方針に従わない言動があった」とし、中村紀洋(40)を二軍降格させた(2014年5月7日)。後日、高田繁GMが個別会談し、最短10日間の一軍抹消期間後の再昇格を約束したという。戦力して必要とされているのかどうかを悩む中村の意を汲んだわけだが、起用法に対する“朝令暮改”はチーム崩壊にもなりかねない。
 プロ野球解説者が「中村ノリは戦力として必要」と前置きした上で、こう指摘する。
 「中畑監督は昨季、『ラミレスの打撃力は認めるが、守備難が克服されない限りは使わない』とし、その考えを貫きました。チーム方針が二転三転するようだと、選手はベンチの方ばかりを見て、試合に集中しなくなる」

 最終決断を下すのは現場の最高責任者である監督だが、迷いがないと言えばウソになる。しかし、采配に迷いが見られる指揮官はDeNAだけではない。
 「原辰徳監督も阿部を途中交代させました。翌日、スタメン復帰させましたが、それ以上に問題なのはイニングの途中で阿部を引っ込めたことです」(関係者)

 阿部が途中交代させられた14年4月30日、先発投手・セドンが5失点と奮わず、原監督は3回途中で諦めた。リリーフ投入と同時に告げたのが「捕手・小林誠司」で、その理由は「次イニングで9番・投手に打順がまわるから」。その裏の巨人の攻撃は7番打者から始まる。追撃のためには『9番・投手』のところで代打を送らなければならず、そうなれば、四回表に2人目の救援投手を出さなければならない。セドンの後を継いだ笠原に2イニング以上を投げさせるため、同日、6番に入っていた阿部も交代させ、『6番・笠原、9番・小林』の打順を作った。
 「選手(野手)にとって、交代は悔しいものですが、中でもイニングでの途中は屈辱です」(前出・プロ野球解説者)

 以前、原監督は「いまの巨人は阿部のチーム」と公言していた。打撃不振とはいえ、中核選手としてのプライドを傷つけてしまった。
 「阿部が打撃不振なら、打順を下げるよりも完全復帰するまでベンチスタートにした方がいい。下位打線で使えば他選手にも動揺が生じる」(同)

 一方、阪神・和田豊監督(51)は、選手を引っ張りすぎて白星をフイにした。14年5月2日のヤクルト戦(神宮)、能見は七回裏のマウンドをゼロに抑えたが、次の八回表には割り切れない表情で打席へ向かっている。この時点でスコアは阪神リードの2対1。本人は7回を投げきったところで交代と思っていたのだろう。案の定、集中力の切れた能見は八回裏にヤクルト打線に逆転を許している。「完投させて救援投手陣を休ませたいなどと欲を出さなければ…」と見た関係者も少なくない。加えて打撃不振の福留を使い、好機を潰した試合も多い。

 些細な采配ミスかもしれない。だが、そんな指揮官のウッカリがペナントレースの流れも変えてしまうのである。

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