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競輪人国記 徳島(4)

 彗星のように現れたのが小倉竜二(77期)だ。平成6年、高校総体スプリントで優勝。競輪学校でも71勝を上げて2位(1位は小林正治=東京・86勝)に入った。実戦では平成8年4月にデビューすると、先行よりもまくり追い込みで活躍した。

 2年後の平成10年には地元地区・四国観音寺のふるダビでGII優勝の快挙を成し遂げると、翌11年の競輪祭では吉岡稔真(福岡)マークから1/8輪差してGI初制覇を遂げた。
 平成13年の小松島ふるダビでは、山田裕仁(岐阜)のジャン駆けに乗って追い込み、2回目のGII制覇。着実に力をつけた小倉は5年後の18年、競輪祭で吉岡のまくりに乗って海老根恵太(千葉)の必死の先行をG前追い込んで優勝。四国一の追い込み選手に成長した。

 近況は落車46、失格11回。優参はするが荒っぽさから勝ちきれていない。だが、天下一品のハンドル投げで追い込み脚を活かしている。小倉のハンドル投げは、他の追い込みに比べ二倍伸びるといわれる。1輪差なら軽く交わしてしまう職人芸だ。
 年齢的にも33歳と若く、目標さえつかめば再びGI獲りのチャンス。取手のGII戦では優参は外したものの(2)(1)と準優に参加した。2次予選Aでは石丸寛之(岡山)のまくりに乗って、さらにまくった伏見俊昭(福島)を3角、一発で飛ばしたさばきは見事なものだった。近づく競輪祭は得意とする小倉ドームだけに、狙ってくるだろう。
 直線番手を回れば頭に抜ける安定感と、位置が悪くてもコースをつかんで追い込む鋭脚は健在。目標としている井上茂徳(佐賀)に、さらに近づく可能性を秘めている。

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