■決して簡単ではない五輪での戦い
6日のメンバー発表会見で、山中武司監督は「格上の相手に対し、守備で計算の立つ選手を選んだ」と、キャプテン・大澤ちほやベテランの久保英恵ら、2014年のソチオリンピックにも出場した14名を含むメンバーについてコメントを残している。
初めて予選を突破し出場を果たしたソチオリンピックでは、ロシア・スウェーデン等と対戦し、世界ランキング上位国を相手に5戦全敗と、世界との実力差を見せつけられる結果に終わった。そして、平昌オリンピックでは、今回も世界ランク上位のスウェーデン・スイス、開催国・韓国と同グループになるなど、今回も劣勢に立たされることが予想される。
それでも、前回のソチ大会からの4年間、スマイルジャパンはしっかりとした足跡を残し続けてきた。
■成長に裏打ちされた自信と共に
ここまで、世界ランキングは過去最高となる7位にまで上り、今年2月の苫小牧で行われたオリンピック最終予選は3戦全勝で出場権を獲得、同月の札幌アジア大会では圧倒的な強さを発揮し、初優勝を飾った。世界選手権でもヨーロッパの強豪国と凌ぎを削り、来年のオリンピック本大会への自信と手ごたえを掴んだ。
山中監督は「スピード、パスワーク、運動量に磨きをかけ、果敢にチャレンジする」と語っており、五輪での初勝利を視野に入れている。
女子日本代表は今月24日からロシアと、来月にはドイツ・チェコと、何れも国内で強化試合を行い、最終調整に入る。
今年2月、苫小牧でのオリンピック最終予選、ドイツ戦に勝利し、2大会連続となる出場権獲得後、キャプテンの大澤は「これからも私たちは進化し続けます」と力強く語り、意欲をみせた。
その言葉通り、来年2月平昌のリンクで、進化を遂げたスマイルジャパンは溢れるような笑顔を見せてくれるはずだ。日本アイスホッケー史上、オリンピックで初めての「メダル獲得」という偉業と共に。
(佐藤 文孝)