「箱根駅伝は、予選会へのエントリー回数が4回までと定められていますが、年齢制限はありません。これは連続4回ではありませんので、留年や休学を重ねて飛び飛びにエントリーをすることも可能です。さらに、大学院生も出場可能ですので、学部とは違う大学院に入り直し、新たに出場を目指すこともできますね」(スポーツライター)
大学は18歳で高校を卒業して、すぐに入学する場所とは限らない。渡邊選手は高校卒業後に、複数の実業団選手を経て、29歳で東京国際大学へ社会人入試で合格している。こうしたベテラン選手はほかにもいる。
「駒沢大学を2回の総合優勝に導いた同大学陸上部の大八木弘明監督は、24歳で駒沢大学の夜間学部に入学し、在学中に3回の箱根駅伝出場を果たしています。昼間は川崎市役所で働きながらの苦労人です。もともと、箱根駅伝で走ることに憧れていたものの、家庭の事情から大学進学を諦めていたため、悲願の出場といえるでしょう」(前出・同)
ある程度の年齢を重ねたとしても、「夢を諦めない」姿勢は大切であろう。30歳の大学生、渡邊選手が見せる箱根路の走りは多くの若者に夢を与えそうだ。